なるほど「ダニーボーイ」は必然だ。3.11、能登半島、大船渡…羽生結弦の美、そして社会性の「あたたかさ」(後編)

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大船渡の爪痕を見た羽生結弦の言葉
6月、日本テレビ・NNN系列「news every.」で『羽生結弦 伝えたい思い』が放送された。
場所は大船渡、2025年2月26日に発生した山火事により3370ヘクタール、226棟の家屋が焼けた日本最大級の山林火災である。
2011年東日本大震災の被災地でもある。
死者354人という尊い命が失われ、いまだに79人が行方不明のままである(※1)。つまり彼らにとって、いまだに震災は終わっていない。
それなのに山林火災ーー火事の被害だけでなく1人の命も失われた。
数の問題ではない。命の問題だ。
「大船渡と言えば3.11で大変だった地区。そこがまた、という気持ちは強くありました」
「お庭とかもしっかり見えると、生活の跡を凄く感じますよね」
現地、大船渡の爪痕を見た羽生結弦の言葉ーー彼は大船渡にいた。そういう人だ。それができる、人だ。