「潰れて当然、こんなくそ銀行!」ネットで話題の元拓銀男性が26年越しの大暴露「わかっていた幹部は先に辞めて退職金もらってた」

「どいつもこいつも馬鹿だからさ。潰れて当然なんだよ、こんなくそ銀行、悪いけど。遅いぐらいなんだ、もっと前に潰れるべきだった。ゴミだよ、この銀行は。ダイナマイト爆破かなんかしてブルドーザーで片した方がいい」
このフレーズをインターネットで目にしたことがある人も多いだろう。北海道拓殖銀行が破綻した直後に、本部社屋前にて1人の若手社員が吐き捨てたセリフだ。ドキュメンタリー番組「破綻の爪痕~拓銀崩壊から1年~」(札幌テレビ放送)にて放送されたこのシーンは、放送から十数年を経て、TwitterなどのSNSにて再度注目を浴びるようになり、もはや伝説のインターネットミームとして定着しつつある。
かつて若手拓銀マンだったその男性は、本人いわく「GAFAMのような」大手外資系IT企業で事業戦略シニアマネージャーになり、華々しいエリート街道を歩んでいる。「年収2000万円なんて、世界じゃ当たり前だよ」。50代になった彼の語り口は、放送当時とまったくといってよいほど変わらなくて潔い。
しかし拓銀破綻後のキャリアも波乱万丈だった。インターネット上では「哀しみの貴公子」を名乗る男性の “その後の人生” に迫る――。連載全3回の1回目。
「ゴミだよ、この銀行は」くらいは普通だった90年代。灰皿投げる上司がモテた
――有名なあの発言は、普段から思っていたことだったのでしょうか。
普段から思っていることがポッと出ちゃったね。心から出た発言です。拓銀が破綻した情報が日曜日の夜に流れて、翌日の月曜日の朝に出社して、急に取材陣に取り囲まれた状況でした。
1990年代って過激な時代で、周りのビジネスマンはみんなあんな感じでしたから、逆に、今バズっているのが驚きですよね。みんな私みたいでしたよ、割と。
もう今って、サラリーマンは本当に上下関係がすごい厳しいですよね。上司に楯突いたりできないじゃないですか。もう上から指示されたことを、ただ「はいわかりました」とやることしか許されないみたいな雰囲気になってますけど、あの頃はまだ支店の中で、上司と部下が怒鳴り合うっていうのは結構普通にありました。
だからあの程度の動画がバズるってのが、ちょっと驚きではありますよね。
番組が放送された当時はほかの業界にいたから全然注目されなかったですよ。最近ですよね。2〜3年前くらいに発見されて、その当時の動画を見たら「懐かしいなぁ」なんて思いましたよ。
――銀行と聞くともっとお上品なイメージがありますが。