竹中平蔵「楽天モバイルの起死回生策はある」…三木谷さんはこのままでは終わらない

経済学者の竹中平蔵氏は、一代で楽天経済圏を作り上げた三木谷浩史社長を「改革者だ」と評価する。みんかぶプレミアム特集「楽天」第1回は、竹中氏が楽天・三木谷氏の唯一無二性を語る。そして、楽天モバイルの起死回生策についても、徹底的に解説する――。
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竹中平蔵「三木谷浩史さんは改革者」
楽天の三木谷浩史さんは改革者であると思っています。
三木谷さんは経団連というエスタブリッシュメント(支配層)に対して、新経済連盟(新経連)を設立しました。新経連とは「デジタルを軸とした経済と社会の改革に向けて、個人や民間企業の力が最大限に発揮される環境の整備に取り組む……経済団体」で、2010年に「eビジネス推進連合会」として始まり、その後今の名前に変わりました。三木谷さんは現在も新経連の会長を務めています。
その新経連の政策提言は極めてイノベーティブ(革新的)です。三木谷さんの2023年の新年挨拶では「税率引き下げ」と「新型コロナの感染症法上の位置づけを早期に2類相当から5類相当に引き下げる」ことを政府に求めました。いずれも経済を活性化させる政策提言でしょう。とくに税率引き下げは、過去に消費増税に賛成した経団連とはまた異なった、国民目線を持っているように思えます。
そのほかにも新経連とは別の会議で、三木谷さんは政府に対して、公務員試験や大学入試にTOEFLを利用するべきと提案していました。そうすると日本の高校生・大学生の留学可能性は一気に高まりますよね。また英語の先生にとっても「先生、TOEFL何点ですか?」と生徒から聞かれることで、いいプレッシャーになるはずです。そして大学教授も、入試のために独自の英語試験を作成する必要がなくなります。