TKO木本「7億円トラブル」ノブコブ吉村の金は「まず戻ってこない」…FPが語る「怪しい勧誘」を見抜くキーワードリスト

TKO木本「7億円トラブル」報道、ノブコブ吉村ら10人の芸人も巻き添いに

 芸能事務所の松竹芸能は7月23日、お笑いコンビTKOの木本武宏氏(51)との契約を解除したことを発表しました。木本氏は、周囲の芸人や友人に優良な投資話を持ち掛け、7億円にも及ぶ投資トラブルを起こし、テレビ、ラジオ各局に番組出演の見合わせを申し入れていることが報じられていました。

 木本氏は投資商品の運用者である投資家2名を紹介し、総額7億円に上る投資資金を集めたとされています。ところがその2名とは後に連絡がとれなくなり、利益どころか返金もできない投資トラブルに発展し、一部週刊誌報道などによれば、巻き込まれてしまった芸人仲間らは約10人に上るそうです。

 その中には人気お笑いコンビ・平成ノブシコブシの吉村崇氏(42)も含まれており、7月28日放送のフジテレビ「ノンストップ!」に生出演した際には、微妙な表情で「やってしまいました!」と “意味深” なあいさつをしたことも話題となりました。ちなみにスポニチは関係者の話として、吉村氏が出資していた金額は「約5000万円に上る」としています。

 今回の件の投資先として名前があがっているのは、FX・不動産・仮想通貨・STEPNなど様々な情報が出ています。が、現時点で警察が動いているわけではなく、現状では決定的な投資先は不明です。2名はそれぞれFX、不動産投資で資金を運用していたとみられ、木本氏も「熱心に勧誘活動をしていた」と報じられています。

平成ノブシコブシ吉村のお金が返ってくることは「まずない」

 今回のトラブルですが、仮に報道されていることが事実だとしたら、平成ノブシコブシ吉村氏を含め、投資した資金が満額返ってくることはまずないでしょう。普通の人であっても、こうした”投資”に関するトラブルに出くわすことは珍しくありません。

 筆者はこれまで、10年以上証券、保険、不動産など様々な金融商品を取り扱ってきましたが、”勧誘の手口” で、それが怪しい金融商品かどうかをおおむね見抜けるようになってきました。そこで、筆者がお付き合いしていた方々の過去の投資トラブルの経験から、今回のトラブルにあった背景、そして怪しい投資勧誘を見抜くコツをご紹介します。

 見破るためには「モノと人を疑う」視点が必要です。では、どうしたら騙されないのか。その方法を具体的に説明します。

1:騙されないコツ。モノを疑う

 投資はいつでも現金化できる「流動性」があって初めて利益を確定できます。この流動性を確保するためには、需給による価格の変動が必須となります。また、投資商品や、成功した方法(スキーム化)はすぐに過去のものとなり、あっという間にすたれてしまいます。

 「いつでも」「だれでも」「元本保証」「月利・年利の高利回り」これらの言葉が投資勧誘の際に出てきたときには「怪しい」と判断しましょう。

 わかっていても、どうしても心が動いてしまうこともあります。特に、投資に回せる余剰資金がある方ほど注意しなければいけません。金融商品には、必ず一定の確率でデメリットが存在します。確実に儲かる投資は存在しないことを肝に銘じてください。

◆2:騙されないコツ。人を疑う

 先輩・上司・信頼できる人たちが「おまえは新しいものを知らないんだよ」「少し勉強した方がよい」などの言葉をかけて投資勧誘してくるパターンが、一番危ない。

 平成ノブシコブシ吉村氏は木本氏の「旨い話」を疑うべきでしたし、木本氏も最初に投資を持ちかけてきた ”投資家” を疑うことが必要だったのです。実際に投資や金融商品、不動産を取り扱うからには資格を取り、免許を得て商売をしなければなりません。違反には罰則があり、消費者の保護のために国が保証しています。それぞれの認可には開示義務があります。つまり、「怪しいな」と思った際には調べればその人が信用に足る人かどうか、調べられます。

 各々の免許取得には、事務所や人員など様々な要件を満たす必要があります。資格や免許を取らないのは、その実力や知識がないか、自身の利益を優先していつでもトンズラできるようにしているかのどちらかです。

 不幸なことに、今回の “投資家” は最初からトンズラしようとしていたのでしょう。

 簡単にいうと、勧誘者の個人名を調べても何も出てこない、会社を調べても免許など何も出てこないといったケースは、信じてはいけません。また、検索で出てきたとしてもレンタルオフィスや狭いマンションの一室など、きちんとした会社の形態やオフィスではないケースもほぼアウトです。自分でネットや名簿を検索することで、信頼できる人物や会社であるかどうかは確認できます。

 知名度があったり、社会的に信頼されている人の場合、前述した ”モノ” を見ることで怪しい投資勧誘かを判断できます。つまり、人だけで判断するのも、モノだけで判断するのも、ダメなのです。どちらも見極めなければいけません。木本氏にモノと人を疑う力があったら、トラブルには巻き込まれなかったことでしょう。

 何を当たり前なことを、と思うかもしれませんが、意外とこの2つの条件を満たす金融商品はそう多くないものです。他人に渡ったお金がすぐに利益を乗せてあなたに返ってくるなんてまずあり得ないことを、今回のトラブルからどうか改めて再度意識してください。

この記事の著者
FP-Nori

FP-Nori(エフピー・ノリ) 千葉県生まれのファイナンシャルプランナー。You Tubeチャンネル「FP-noriチャンネル」主宰。不動産仲介、ローン、保険、証券のライフプランニングサービスを提供している。新婚夫婦の「損しないお金の使い方」のコンサルティングが得意領域。上場企業や大手建築会社などで金融・住宅の講師として年間100本以上のセミナーに登壇。保有資格は、宅地建物取引士、生命保険代理業、損害保険代理業、金融商品仲介業、ファイナンシャルプランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザーなど。TwitterのIDは(@FpNori)

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