第8回 最終回:資産形成・運用がもっと分かりやすく楽しくなる資格

こんにちは。本当に稼げる資格とは何か、資産形成のための資格を考える「みんかぶ資格部」。最終回となる本稿では、「資産形成・運用がもっと分かりやすく、楽しくなる資格」と題して、投資や資産運用にまつわる資格を取り上げます。日々の生活や仕事で役立つことはもちろん、「みんかぶ」サイトをご覧になる際に情報の捉え方や得られる気づきもこれまでとは変わってくるかもしれません。安心して資産運用を進める上でも、資格取得を通して体系的な知識を身に付けることは大きな力となるのではないでしょうか。
目次
なぜ、資産運用に資格が有効なのか
普段から「みんかぶ」を利用されている皆さんは、周囲の人に比べて資産形成や運用、そしてそれらに関連する言葉にもきっと詳しいことでしょう。今はインターネット上にもたくさんの情報がありますし、手元にスマートフォンさえあれば、どこにいても難しい専門用語の定義や一般的な投資フローなどは容易に調べられるはずです。
一方で、世の中に溢れている情報は必ずしも全てが正しいものであるとは限りません。SNSで知り合った人物から持ち掛けられた投資話で900万円以上をだまし取られた話や、賃料収入が得られることをうたった「トランクルーム投資」で100名近くに上る詐欺被害が発生、総額8億円以上がだまし取られたとされるニュースなども伝わっています。
投資や資産運用では日々、あるいは時々刻々と変わっていく状況をいち早くつかむ方法として、新しい情報に触れることが有益であることは間違いありませんが、一方でこうした危険が迫ったときには自分を守る力が求められます。そして、その「自分を守る力」とは、「正しい知識を身に付けること」、そして「危険な思いをしたり被害に遭ったりしたときに、適切な対処を取れること」なのです。
資格を取得する上で求められる知識は、一般に体系的に整理されています。必ずしも全てにおいてとことん詳しくなれるわけではありませんが、物事を基礎から順序だてて理解し、「ひとつのジャンルにおいてひと通り学んだ状態」を築くには、資格を取得するための勉強は実のところ手っ取り早い方法なのです。
資産形成や運用に限って言えば、今まで「なんとなく」止まりだった専門用語や出来事の意味を正しく理解することは、資産運用の成果を上げやすい素地を養うことにもつながります。それまでは目を配っていなかった数値の変動に気がついたり、これから起こり得る動きを予測して先手を打ったりすることも可能になるからです。すなわち、リスクを回避する上でも、より効果的な資産運用を実現する上でも、資格取得は大きな一歩になるポテンシャルを秘めているのです。
資産形成・運用に役立つ資格とは
それでは実際に、資産の形成や運用に役立つ資格を見ていきましょう。下記のように、大きく分けて「資産形成・運用全般で役立つもの」と「特定の領域で役立つもの」があり、目標となる職種や業務、運営母体などの違いからそれぞれ複数の資格が存在します。
詳細は後に譲りますが、例えばファイナンシャル・プランナーの学習範囲には投資に直接関係のない分野もあります。しかし、「そもそも自分はどういったライフプランで、どのくらいの資産額を目指し、どのような資産運用を行うのか」といった根元を固めるにはそのような知識も有用です。
証券外務員は、本来は証券会社・銀行で金融商品取引に従事する人が取る資格ですが、その資格を取得することで、金融機関から勧められた株式などについても自分で見極めるだけの目が養えます。
どの資格も決して簡単に取得できるものではないかもしれませんが、取得までいかずとも、勉強の一環で参考書を手に取ってみるだけでも新しい発見に出会えるに違いありません。
資産形成や運用で役立つ資格の例
区分 | 資格の例 |
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資産形成・運用全般で役立つもの | ファイナンシャル・プランナー 日商簿記 ビジネス会計検定 |
株式投資で役立つもの | 証券外務員 証券アナリスト 投資診断士 |
不動産投資で役立つもの | 宅地建物取引士 不動産実務検定 賃貸不動産経営管理士 |
そのほか特定の領域で役立つもの | 投資信託3級 年金アドバイザー DCプランナー(企業年金総合プランナー) |