チマチマ1億貯めて何が幸せなのか…3カ月で億り人になった女性に、ドバイのファンドマネージャーが語ったマネーの真理
世界各国の「本物の大富豪」を訪ね歩き、わずか3カ月で資産1億円超えを達成した資産構築コンサルタントの戸塚真由子氏。そんな戸塚氏は「『億り人』になるためにはまず元手が必要」だと語る。お金がない人でも、元手を作り出すことができる方法とは――。
※本稿は戸塚真由子著『1年で億り人になる』(サンマーク出版)から抜粋、編集したものです。
1億を頑張って貯めたとして残りの人生はどれくらい
お金には、忘れてはいけない原則があります。「大きなお金に小さなお金が吸い寄せられる」です。皆さんもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
普通の人は、お金のために働いて、少しずつ投資商品を積み立てて運用します。そして長いときは30年以上かけて、資産構築しようとします。それから好きなことをして人生を謳歌(おうか)しよう、というわけです。
もちろんずっと続ければ、1億円貯まる人もいるでしょう。しかし、1億円貯まったときに何歳になっているか、計算したことはありますか?
お金持ちは逆です。働く前に、まず大きなお金を運用するのです。先に配当だけで生活できるようにしてから、好きなことを仕事にしています。
本当にいい投資はインターネットを探しても見つからない
ドバイをはじめ、中東に住んでいる大富豪達から投資の額を聞いたときには、さすがに驚きました。一度に投資する額が100億円以上というケタ違いのお金持ちばかりだったのです。富裕層向けの条件が良い案件ほど、彼らにあっという間に取られてしまい、日本人ではなかなか太刀打ちできません。
日本人がちまちまと1人1億円、2億円とやっている間に、ポンと100億円以上入れられてしまうのですから、ひとたまりもありません。ドバイでこの大富豪たちを顧客にしているファンドマネージャーのゴードンは、当たり前という感じで、本当の投資の世界について明かしてくれました。
「本当に条件の良い投資は、人と人との信頼関係によってのみ伝えられている。だから、インターネットをいくら探しても、それは見つけられない。そこで見つかるのは詐欺まがいのモノばかり。お金が無いところに、本当に良い投資が回ってくる可能性は限りなく低いのだよ」
先に大きなお金を運用する? それを聞いて「でも、私には資産が無いし、収入も少ないから」と、肩を落とした声が聞こえてきそうです。
お金がなくても投資はできる。ケタ違いのお金持ちはみなそうしている
何度でも繰り返しますが、その感覚は一度、忘れてください。「億り人」になるために、現在の資産や肩書は関係ありません。さらに言えば、私の周りにいる「ケタ違いの資産家」たちだって、最初は資産ゼロに近い状態だったのですから。
では、どうやって彼らは「億り人」になっていったのか。「お金持ちは、お金が無いときから投資していた」が答えです。私の出会ったケタ違いの資産家たちは、たいていが一般家庭の出身で低学歴です。だから親からの遺産も、華やかなコネクションも持っていませんでした。
しかし彼らは「お金も持っていない時代」から投資をしています。どうしたかと言うと「お金を借りた」のです。借金をしてでも大きな元本を作り、ギャンブルではない、確実に負けない投資で資産を増やすことが大切です。
では、どうやって「お金を集めた」のでしょうか。その例をいくつか、ご紹介します。
億り人を目指すのに借金は当たり前
【個人の場合】
①親や親族、友達から借りる
借金は悪いものというのは、日本の悪しき風習です。海外では親族や友人間の大きなお金の貸し借りは日常茶飯事で、お金はそこにあるからこそ借りるのです。
不思議なことに「お金持ちになら、お金を貸してもよい」という富豪がたくさんいるのです。それは「大きいお金が小さいお金を吸い寄せる」と、富豪はよく知っているからでしょう。
コツは小さいお金ではなく1000万円、1億円以上など、大きなお金を借りることです。ただし、金融免許を持っていない個人は、借りたお金を運用してはいけません。そのお金を使って副業などでお金を増やし、出た利益を運用してください。
また、NGなのは小さい借金です。10万円とか100万円未満などの小さなお金を借りると「そんな小さなお金を借りないといけないほどお金に困っているの?」と、相手にもいぶかしがられます。
親族からの借り入れでも借用書は必要
細かいことですが、個人からの借入の場合も「借用書」が必須です。返済期限も定めましょう。返済期限より前に返してくれと言われたときに自分が困るからです。親族からの場合は、なおさら借用書は必須です。贈与とみなされてしまった事例もあるからです。
②クラウドファンディング
1000万円以上調達した人もいます。現在は、運用サイトもさまざまに充実しています。
③エンジェル投資
エンジェル投資とは、創業したばかりのベンチャー企業などへの投資のこと。最近はCMでもよく見かけます。リスク回避のため100万円くらいからできる事業がよいです。ただし、投資家は騙(だま)されません! 投資家目線で言うと、自分より優秀な人に投資をすることが基本。ですので、投資家より優秀だと認められないと資金調達は難しいです。
それに、100万円の自己資金すらないのは起業家としてはアウト。せめて自己資金100万円、それに500万~1000万円以上の資金を数名から集められるのがベストです。公的金融機関からの創業融資は通常1000万円が上限なので、それを超えたい場合に有効です。
まだまだある金を借りる方法
【個人事業主 または 法人 の場合】
④小規模企業共済
月に1000~7万円の掛け金で、利益が出すぎたら年末に上記金額の範囲で掛け金を増やしたり、翌年分の前納も可能です。廃業すると戻ってきます。借入も可能。
⑤経営セーフティ共済(倒産防止共済)
取引業者が倒産した場合に借入ができる商品です。月に5000円~20万円の掛け金です。小規模企業共済と同じく利益によって掛け金を増やしたり、翌年分を前納することも可能です。借入は、無担保・無保証で最大掛け金の10倍(8000万円)まで可能です。
⑥銀行融資
通常の銀行と日本政策金融公庫からの融資を受けられます。創業融資や新型コロナ融資など多種多様にあります。
⑦市町村独自の借入制度
市町村によっては、独自の融資制度があります。
⑧私募債など社債による借入
私募債の募集に関しては、社債権者が50名未満など条件がありますので詳細は専門家にご確認ください。
⑨株で投資家を集める(エクイティ投資)
億り人を目指すなら、まずは会社を立ち上げよ
こうして並べると、やはり個人事業主と法人のほうが、さまざまに借りられる方法があることがわかります。ですから、私は「億り人」を目指すならば、一刻も早く「法人を立ち上げなさい」とお伝えしています。会社員でも、やり方次第で法人は作ることができますし、法人と個人で二重に借りることもできるのです。
ただし、これにも注意が必要です。事業のために借りたお金を、投資に回すのは原則不可です。借りたお金で事業をして、利益を作り、そのお金を運用します。