2024年、日経平均4万円が「確実に」視野…PBR2倍銘柄が続出!キーワードは『マルチプル』

2023年、日本株式市場のバズワードとなった「株価純資産倍率(PBR)1倍割れ」。これを改善させるため、資産運用会社が相次いでPBRが低い銘柄に着目したファンドの運用を始めたほか、価値向上に取り組む企業と対話(エンゲージメント)も行っている。日経新聞の上級論説委員兼編集委員である小平龍四郎氏は、「今後、異なる視点のPBR向上策が広がれば、市場が活性化し、株価上昇の持続性は増すに違いない」と語るーー。
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2023年の株式市場でもっとも語られた言葉「PBR」
筆者は日本経済新聞のコラムで「株価純資産倍率(PBR)1倍割れ」を「2023年の日本株式市場のバズワード」と書いたことがある。すると、取材先の1人から「よくぞ言ってくれた」とお褒めのメールをいただいた。
どういう意味か少し経緯をふり返りたい。
2023年の株式市場でもっとも語られた言葉が「PBR」であることに、だれも異論を差し挟まないだろう。東京証券取引所が「PBR1倍割れ対策」を企業に求め、企業側も手元にため込んだ現金を吐き出すべく、自社株買いや配当など株主還元に急旋回していった。おかげで日経平均株価は30余年ぶりにバブル崩壊後の高値を更新。いよいよ、日経平均株価の史上最高値の更新や、4万円台が視野に入るかもしれない……。そんな雰囲気も漂う。