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晴海フラッグを絶対に買ってはいけない理由…不動産関係者がネットの悪評火消しに奔走?

 東京五輪の選手村として使われた “晴海フラッグ” の平均倍率は約8.7倍。最上階の部屋はなんと111倍。そんな平成バブル時代を彷彿させる最高倍率になった裏で「誰」が群がっているのだろうか。不動産評論家の牧野知弘さんは「バックにはアジアなど外国の業者がついて、順次転売していくことを狙っているのだとしたら有り得る話だ」という。(第4回/全4回)

※本記事は、牧野知弘著『不動産の未来 マイホーム大転換時代に備えよ』(朝日新聞出版)より抜粋・再編集したものです。

第1回:タワマンに”勝ち組エリート”が住まない理由…住民たちが「考えたくない」悲惨すぎる未来
第2回:今、中国が狙っているのは西日本! 福岡、那覇…不動産の勝機はここにあり!
第3回:「ワンルーム投資」に目がくらんだサラリーマンの末路…売れない、貸せない、危険すぎた遊びの代償

最高倍率111倍。圧倒的安さの中古物件・東京五輪の選手村 “晴海フラッグ” は、なぜ人気だったのか

 買ったマンションはできれば値上がりしてほしい、いつのころからか、マンションを買う人たちは投資家ばかりでなく、自宅を買った一般人までもが、呪文のようにこのセリフを唱えるようになった。その最先端を走るのが、東京五輪で世界各国の選手たちが使用した選手村に建築された晴海フラッグだ。2021年1月には3回目となる販売が実施された。販売を担当する10社の代表である三井不動産レジデンシャルの発表によれば、第3期の分譲結果は、販売戸数631戸に対して5546組の応募があり、平均倍率は約8.7倍。最高倍率は最上階の部屋でなんと111倍もの高倍率をつけたという。

 晴海フラッグは選手村の敷地13万㎡に23棟計5632戸の住宅が供給される予定で、分譲住戸全4145戸のうち、すでに五輪開催前に940戸相当が分譲された。五輪開催の延期などの影響で、今般は約2年ぶりの分譲となった。

 20年の開催予定が1年延期となったことから、物件の引き渡しも遅れ、募集中のSUN VILLAGEおよびSEA VILLAGEは当初計画より1年遅れ、24年3月という2年以上先(原文ママ)の話となる。建物自体はすでに事実上竣工しているのだが、選手たちが利用した部屋を一般住宅用に改装するため、引き渡しが遅れるのだ。

 コロナ前の19年の募集で申し込んだ顧客からみれば、申し込んで当選してから4年半から5年近く先の引き渡しとなる。内装こそ新築だが建物の軀体は築5年程度が経過した中古物件を内装リフォーム済みとして購入することになる。自宅として買うには引き渡し期間が長すぎである。最長5年といえば現在小学生の子供がいれば卒業してしまうし、中学生がいれば大学生になっているほどの時の経過だ。

 この物件はその規模の大きさ、埋め立て地とはいえ東京都中央区アドレスであること、コロナにだいぶ邪魔されたもののオリンピックレガシーとしての価値、そして何よりも坪単価が最低270万円台から300万円台半ばという、周辺相場からして圧倒的な安さが相まって、マンションマーケットでの話題を独占している。

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この記事の著者
牧野知弘

不動産事業プロデューサー。東京大学経済学部卒業。第一勧業銀行(現・みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループを経て三井不動産勤務。J-REIT(不動産投資信託)執行役員、運用会社代表取締役を経て、2015年にオラガ総研株式会社の代表取締役に就任。ホテルなどの不動産事業プロデュースを展開している。著書に『なぜマンションは高騰しているのか』(祥伝社新書)など多数。

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