ジム・ロジャーズ「1ドル360円はアル」…無能日銀ではもうどうにも止まらない! 国葬で株を落とした岸田政権の末路
24年ぶりの為替介入もむなしく、円安は止まらない
円安はどこまで進むのだろう。9月1日に1ドル140円台を記録してから、円安はさらに進み、23日には1ドル145円台90銭にまで達した。1ドル145円台の円安は、アジア通貨危機が起きた1998年8月以来、24年ぶりの水準だという。
この歴史的な円安水準を受け、政府・日銀もとうとう動いた。9月22日、財務省の神田真人財務官は、24年ぶりに為替介入を実施したことを表明した。日本経済新聞によると、市場参加者の推計ではその規模はなんと約3兆円にも及んだという。この数字をどう捉えればよいのだろうか。
円買い介入に使える資金には限りがある。介入資金の原資となる外貨準備高は、8月末時点で1兆2920億ドル(約185兆円)。うちすぐに介入に使える預金は1361億ドル(約19兆5000億円)だ。すでに約3兆円を使ってしまっているのだから、今後、同規模の介入が2回行われれば半分近くまで介入に使える預金が減ってしまう計算。そこで市場から見放され、一気に円安が進んでしまう可能性もなきにしもあらずだ。日本経済新聞のインタビューにて、野村証券の後藤祐二朗氏は「2回目の介入以降、(介入原資の残高について)意識される可能性はある」と述べている。
22日の為替介入を受けて、一時は1ドル140円台まで円高が進んだものの、27日時点では144円台まで円安方向に相場が戻ってしまっている。日銀の黒田東彦総裁は26日「政府の介入は大変適切であった」と述べたが、現実の数字をみれば、為替介入の効果は限定的であったとみるほうが妥当なのではないか。
米FRBは金融引き締め継続、対する日銀は金利を上げる意向なし…その時ジム・ロジャーズは!?
円安が進んでいる要因はさまざまにあるが、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め姿勢がやはり要因としては大きいのだろう。米国金利が上昇すると、低金利の日本円で資産運用するよりも米ドルで運用したほうが利益を得られるために、円安傾向に拍車がかかる。
FRBのパウエル議長は8月下旬、経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」での講演で、細かい説明はあえて省いて「インフレ鎮圧をやり遂げるまで金融引き締めを継続する」と市場に対して強いメッセージを発した。9月20~21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想通りに0.75%の利上げも決め、さらにその後の記者会見でパウエル議長は「しばらく引き締め政策を維持する必要がある」とも強調していた。