年収370万円53歳メンタル会社員はどう1年でFIREをしたのか「金のために我慢して働く必要はない」
今回、深野さんの元にやってきた相談者は、ベテラン会社員の佐倉さん(仮名、53歳)。経営難や職場の人間関係など、仕事上の心労が積み重なってメンタルを病んでしまいました。佐倉さんは「早期退職したら週3回ほどのパート収入で細々と生きていきたい」と考えているそうです。果たして実現できるのでしょうか?
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仕事がつらすぎてメンタル最悪…「とにかく早期退職したい」
ごく普通の民間企業に勤務されている佐倉さん。会社が経営難に陥ってから、職場の人間関係がとても険悪になり、精神的につらくてメンタル不調に陥ってしまったそうです。
佐倉さんのメンタルがかなり不調ということは、第三者の筆者から見ても感じられました。ライフプランを立てる際、経済的な面(お金)を心配するのは当然ですが、佐倉さんのようにメンタルが最悪の状態なのに、お金のために我慢して働き続けるのは感心できません。体調を悪化させてしまうと家計収支も悪化して元も子もなくなってしまうからです。
佐倉さんは「とにかく早期退職したい」と決心をされていて、早期退職後は「週3日勤務のパート収入で細々生きていきたい」というご希望をお持ちでした。そして筆者には「希望どおりの働き方に切り替えた場合、現在の資産がどれくらいまでもつのか。また毎月の家計収支はどの程度が望ましいのか、試算をしてほしい」とご要望されていました。
佐倉さんは現在53歳、保有金融資産は3150万円です。年収は、本来は470万円だったのですが、相談時は会社の経営が悪化しており100万円減少中の370万円。支出は毎月22万5000円、年間270万円でした。
メンタル不調を癒しながら、求職活動もすると…
それでは佐倉さんが希望されているライフプランのキャッシュフローを試算してみます。筆者は佐倉さんのメンタル不調を直すため、最初の1年はゆっくり休養することをお勧めしました。なぜなら無理してまでパート勤務を行わなくても、今まで頑張って貯めてきた金融資産、失業給付などがあるからです。当初考えていた週3のパート勤務は、1年後の54歳から始めることにします。
まず支出については、今までどおり月22万5000円、年間270万円にしてみます。次に収入ですが、最初の1年間は休養中なので0円になるのですが、佐倉さんは社会保険に加入していて、正しく求職活動をした場合は失業給付を受給できます。ご年齢を考えれば通常は150日分の失業給付金を受け取れるはず。ただし給付金額が定かでなく、試算では100万円としました。