5億円投資家「今年後半戦は下降トレンドに」今もっている株・資産はいつ売り抜くべきなのか

2024年の日経平均株価は、7月10日に4万2000円台の史上最高値を記録したが、8月5日には過去最大の下落幅で4451.28円の急落。その後も、日々1000円単位での乱高下が続き、かつてないほどボラティリティの高い相場だった。
2025年には、日米ともに利上げと利下げが進行中であり、その動向次第ではボラティリティが高まる可能性も十分にある。
では、そんな中でも負けない投資戦略とは…?
今回フィーチャーするのは、登録者24万人を誇るYouTubeチャンネル『ライオン兄さんの米国株FIREが最強』を運営するライオン兄さん(X:@okane_315)氏と、彼がCEOを務める『Financial Free College』(以下、FFC)の代表講師である金盛潤一氏だ。
そんな両氏に、2025年の投資において心がけておくべきことを伺った。みんかぶプレミアム特集「さあ、2025年は米国株でFIREしよう。黄金のロードマップ大暴露」全2回の第2回ーー。
金盛 潤一(かなもり・じゅんいち)
個人投資家、投資スクールFinancial Free Collage講師
1991年生まれ。 富山県出身。大阪大学、大阪大学大学院を経て新卒で商社に勤務。投資を始める。その後個人投資家として独立。現在は米国株でFIREする専門の投資スクールFinancial Free Collage講師も務める。30歳で投資運用金額6000万円、32歳で運用金額が2億円を超え、FIREを達成。SNS総フォロワー数は7万人超。
目次
2025年後半からの1年間、株式と暗号資産の下降トレンドに…
ーートランプ大統領の就任により、株式市場や暗号資産市場が大きく変動することが予想されますが、今後の投資において心掛けるべきことは何でしょうか?
金盛の見解によれば、米大統領選挙の翌年は相対的に強いパフォーマンスを見せる傾向がありますが、2026年はその翌々年にあたり、逆に最も成績が悪化する年になることが多いです。これらの要素を考慮すると、2025年後半から2026年にかけてリセッションが発生する可能性が高いと予想しています。
リセッションが発生した場合、第1回で私がお伝えしたとおり、S&P500は平均して30%程度の下落が予想され、軽度のリセッションでも15〜20%の下落が見込まれます。リーマン・ショック級の50%の下落はさすがに想定していませんが、10%前後の下落は年に1〜2回起きても不思議ではありません。
ーー金盛さんが想定するS&P500のシナリオとは?
2025年後半から1年間、S&P500は15〜20%ほどの軽度なリセッションで収まると予想しています。例えば、S&P500が6000ポイントから5%上昇し、6300ポイントに達した場合、浅いリセッションが発生しても5000ポイント前後で止まると考えています。
ですが、これは消去法によるもので、過去のデータや米大統領選挙翌年の相場が強い傾向、さらに逆イールドカーブなどの指標を総合的に考慮した結果、上記のシナリオに落ち着くと予測しています。
ビットコインは最高3000万円から1500万円付近へ
ーー暗号資産市場の動向についてはいかがでしょうか?
2026年は、ビットコインのパフォーマンスが統計的に低迷する年になると思います。2025年後半まではバブル相場が続き、ビットコインの価格は2000万〜3000万円台に達するものの、その後バブルが終了し、1500万円台付近に戻ると見ています。
一方で別のシナリオでは、過去のビットコインサイクルにおける統計的法則が崩れてしまい、今の価格(1500万円前後)には2025年のバブル以降二度と今後戻ってこないビットコインスーパーサイクル(過去の歴史のような50、60%以上の暴落が起きなくなっていく)の始まりの可能性も感じています。
このように、2026年は価格が下落する可能性は高いですが、相場サイクルで見れば、早くて1年、遅くても2年後くらいにはまた最高値を更新すると見ています。
リセッションがあっても、株式と暗号資産はガチホしろ
ーー上記を踏まえ、金盛さんはこれからどのようなポジションを取る予定ですか?
2025年後半から2026年にかけてのリセッションを予測しつつも、株式や暗号資産を売却せずに保有し続ける方針です。
ーーなぜ、下がると予想していてもガチホし続けるのでしょうか?
利益に対する税金が高いからです。なかでもビットコインなどの暗号資産は、シンガポールやマレーシア、ドバイのように税率が低ければ一部売却を考えるかもしれませんが(それでも全売却は考えません。)、日本の現法では最高税率で55%もの税率が適用されるため、売却するメリットが期待値的に低いと考えています。
それなら、リセッションによる下落の際にコツコツと拾い、次の高値更新を待つ方が最終的に得られるトータルリターンが大きいと思っています。
もう1つの理由は、将来的な価格回復を確信しているためです。株式や暗号資産は大幅に下落しても、数年後にはふたたび最高値を更新する傾向があります。
例えば、株式はリーマンショック時の下落から数年で最高値を更新し、ビットコインは2018年の下落以降、2021年、そして2024年11月現在も最高値を更新し続けています。
一方、法定通貨の価値は回復しません。1960年代後半に月給が1、2万円だった時代には戻りませんし、吉野家の牛丼並盛が280円(現在468円)で食べられることはもうないでしょうから。
AIを駆使して効率的な投資を実現せよ
ーーここからは、ライオン兄さんが考える、今後の投資において心がけるべきことについて伺っていきます。