配当800万円投資家の“高市相場”でも通用する「最強の配当ルール」

日経平均株価は一時5万円台を付けたものの、その後は4万8000~5万1000円前後のレンジでもみ合い、足踏み状態が続いている。
そんななか、「今から株を買ってもいいのだろうか?」「ハシゴを外されることはないのか?」と疑心暗鬼になっている投資家も多いのではないだろうか。
だが、そうした相場でも安定した投資を徹底し、着実に資産を積み上げるのは、高配当株と株主優待株投資のエキスパートであるペリカン氏(@Pelican_Blog)だ。
「5万円は単なる通過点」と断言するペリカン氏の根拠は。暴落時にこそ輝く「最強の配当ルール」とは一体・・・。
今回はペリカン氏に、年末年始の勝ち抜くためのマイルールと、相場の見通しを余すところなく語ってもらう。インタビュー連載全2回の第1回。
目次
ドキドキしない投資こそ最強の理由
ーーAI・半導体株の急騰で、SNSでは「乗り遅れた」という焦りの声も目立ちます。この過熱ぶりをどう分析しますか。
たしかに、AIや半導体セクターの上昇ぶりは目を見張るものがあります。ただ、私の感覚としては「お金が余って行き場を失い、もっともらしい理由がつく場所に流れ込んでいるだけ」という印象を持っています。
具体的にどこのデータが、というわけではないのですが、肌感覚として今のバリエーション(割高感)は、将来の利益を織り込みすぎているように見えます。
ITバブルの時もそうでしたが、「将来これだけの利益が出るから今の株価は正当化される」というロジックが飛び交う時は、大抵相場が過熱しすぎているサインです。
ーーバブルの懸念はあるものの、実際に株価は上がっています。リスクを取ってでもこの波に乗るのが、投資家としての正解ではありませんか。
そこが多くの投資家が陥る罠です。私の投資哲学の核心は「ドキドキしないこと」。これに尽きます。例えば、夜に株価が気になって眠れないようなポジションは取りません。
株価が倍になることを夢見てハラハラするよりも、着実に配当を受け取りながら、気づいたら資産が増えている状態を目指す。これが長く市場に居続けるための唯一の解だと考えています。
暴落がチャンスになる銘柄の特徴
ーー「ドキドキしない」銘柄とは具体的に何ですか。人気の高配当株にも、減配や元本割れのリスクはつきものですが…。
そこで私が徹底しているマイルールが「累進配当」や「DOE(株主資本配当率)」を採用している企業の選定です。
ここ最近、私のポートフォリオ内での優先順位が劇的に上がっているのが、この「累進配当」を宣言している企業です。
なぜこれが最強かというと、仮に市場全体が暴落して株価が下がったとしても、配当金額が維持されるため、結果的に「配当利回り」が跳ね上がるからです。
仮に、株価1000円で利回り4%の銘柄があるとします。暴落で株価が800円になっても配当額が変わらなければ、利回りは5%にアップする。
こうなると、暴落が恐怖ではなく、「利回りがよくなったから買い増しのチャンス」と捉えられるようになります。