「暴落は投資につきもの、いつかはやってくる」資産8億円投資家が語る投資術

エヌビディアの株価は2年で10倍を超えた。日経平均株価は史上最高値を更新し、金価格もかつてない水準に達している。「投資ブームに乗れた人」と「乗れなかった人」の資産格差は、ここ数年で急速に広がっていることだろう。
「あの時買っておけばよかった」。そう悔やんでいる人も多いはずだ。だが、本当にチャンスは終わったのか。
「米国企業の収益力はまだまだ強い。割高感はあるが、さらなる上昇局面に入る可能性もある。私も積立投資はコツコツしている」
8億円超の金融資産を運用し、投資系YouTubeチャンネル「たぱぞう投資大学」を運営する「たぱぞう」氏はこう語る。
AIが牽引する株高の波はまだまだ終わっていないのか。8億円投資家が実践する、今からでも乗れる具体的な方法とはー。連載全3回の最終回。
目次
暴落の前に準備しておくべきこと
「暴落が来たらどうすればいいですか」という質問をよく受けます。ただ、暴落のタイミングを正確に予測することは誰にもできません。コロナショックや小さいものだと去年4月のトランプ関税ショックのように、突然やってくるのが暴落というものです。地政学的なリスクも同様で、いつどこで何が起きるかは読めない。
ただ、私はこの1〜2年以内に一度大きな調整が来る可能性を想定しています。トランプ政権の政策が行き過ぎた場合、あるいは過剰流動性相場の何かがズレた時、リセッションのトリガーになり得ると見ているからです。だからこそ、今のうちに準備しておくべきことがあります。
その準備とは、自分なりの「割安の基準」を持っておくことです。判断の軸になるのはPER(株価収益率)とEPS(1株あたりの純利益)です。暴落が起きると企業収益も一時的に落ち込みますが、暴落直前のEPSを意識しておくと良いでしょう。インフレが前提の社会では、指数における企業収益はいずれ以前の水準を超えてきます。その回復過程でPERが歴史的な平均を大きく下回った局面、たとえばS&P500のPERが15倍を割り込むような場面が来たら、チャンスかもしれない。そのように相場を見ています。
暴落は怖いものですが、定量的な基準を持っていれば冷静に動けます。「数字が割安を示したら買う」。この判断軸を今から持っておくだけで、いざという時の行動は大きく変わります。
ドル円は当面元に戻らない。金利上昇時代の為替との向き合い方
かつてドル円は長らく80円から120円のレンジで動いていました。「円高になったら米国株は損をする」と考えていた方も多いでしょう。ただ、そのレンジはもうすでに過去のものになったと私は考えています。
もちろん短期的な円高への巻き戻しはあります。円安が急激に進んだ反動で、一時的に130円台まで戻る局面も十分あり得ます。ただそれは、むしろ好機と思ってよいでしょう。円高になったタイミングでドル資産を買い増せばいいのです。慌てて米国株を売る必要はまったくありません。
金利上昇は投資環境にとってマイナスに聞こえますが、一概にそうとも言えません。銀行セクターには追い風ですし、インフレが定着した社会では株式や不動産といった実物資産の価値が上がりやすい。ただし、低金利時代に無理な融資を引いて割安ではない資産を買っていた人には逆風が続きます。金利条件は今まで以上にセンシティブに見ていく必要があります。