無料ChatGPTでリサーチ時間が10分の1・・・逆張り投資家が実践する“お宝銘柄”発掘術

第2回の記事で高市早苗政権で注目すべきテーマとして「防衛×宇宙」の掛け算戦略を取り上げ、出遅れ銘柄の具体例を紹介した。
その中で、「おしん」氏が繰り返し強調したのが「ニュースが出た瞬間に飛びつくのは危険」という点だ。
では、多くの投資家がニュースを見てから動くこの時代に、どうすれば相場の一歩先を行き、まだ市場に気づかれていない「お宝銘柄」にたどり着けるのか。
今回は、おしん氏が日々どのように情報を集め、裏取りし、売買判断まで落とし込んでいるのか。実践的な情報収集術と投資判断の手順を伺った。インタビュー連載全3回の最終回。
目次
情報収集で、最初に見るのはニュースじゃない
ーー投資の情報収集というと、『日本経済新聞』や『Yahoo!ファイナンス』をこまめに見て好材料を探すイメージです。おしんさんもそうしたニュースに張り付いているのでしょうか。
もちろん、ニュースサイトは確認しますが、それを見てすぐに株を買うということはしません。
好材料のニュースが出た時点で、すでに株価はそれを織り込んで上昇しているからです。飛びついても高値づかみになるだけです。
私がまず活用するのは「X」(旧Twitter)などのSNSです。ニュースが出た後の市場の反応をリアルタイムで追いかけます。
ーーSNSはポジショントークが多く、情報源としては不確かな面も多い気がします。具体的にXで何を見ているのですか。
おっしゃる通り、情報をすべて鵜呑みにするのは危険です。私が見ているのは「悲観的なコメント」。ニュースで一時的に株価が急騰した後、必ず調整が入って株価は下がります。
その際、Xで特定の銘柄を検索し、「もうダメだ」「損切りした」といった悲観的な声があふれ始めたら、それは高値で飛びついた人たちが耐えきれずに売ってしまったサインです。私は、そうやって相場が落ち着いたタイミングが、本当の「買い場」だと判断しています。
ーーなるほど、大衆の心理の裏を突くのですね。とはいえ、SNSの空気感だけで買いに向かうのは怖くないですか。
もちろんです。ですから、SNSの空気感をつかんだ後は、『株探』などの企業サイトで過去のニュースや決算内容を徹底的に調べ直し、業績の実態が伴っているか裏付けを取ります。
さらに、チャート分析も併用します。日足や月足で現在の株価水準を確認し、例えばボリンジャーバンドの「+3σ(シグマ)」あたりまで突き抜けていたら、過熱感があり危険な天井圏だと判断し、手を出さないようにしています。
お宝銘柄は「連想ゲーム」で探せ
ーー第2回でお話しいただいた「テーマの掛け算(例:防衛×宇宙)」ですが、こうしたまだ誰も気づいていないようなセクター内のブルーオーシャンは、どうやって見つけ出すのでしょうか。
ひとつのニュースの見出しを見たときに、素直にど真ん中の銘柄を買うのではなく、連想ゲームのように周辺情報へ思考を飛ばすことが重要です。
具体的には「防衛関連に予算がつく」というニュースを見た際、真っ先に三菱重工などの王道銘柄を思い浮かべるようでは後手に回ります。
「防衛を強化するなら、安全保障に関わる宇宙領域にも資金が流れるはずだ。では、宇宙ビジネスを手掛けていて、かつまだ安値で放置されている銘柄はどこか?」と、別のテーマとリンクさせるのです。
ーー言うのは簡単ですが、無数にある上場企業の中から、別のテーマと掛け合わせて条件に合う企業をリストアップするのは、気が遠くなるような作業に思えます。
以前はそうでした。サイトを一つひとつ飛び回り、事業内容を確認してリストアップするだけで膨大な時間がかかっていました。
ですが、今は、ChatGPTなどの生成AIを活用することで、作業効率が劇的に変わりましたね。
ChatGPTでもリサーチ時間は大幅短縮できる
ーー生成AIを投資の情報収集に使うのですか? AIはもっともらしい嘘をつくことも多く、正確性が求められる投資判断に使うのは危険だという指摘も多いですが…。
完全にAIを信じ切って売買の判断をするのは、絶対に避けるべきです。なので、私はあくまでサポート役として使っています。
私の使い方は、一次情報をChatGPTに打ち込み、「この分野に関連する出遅れ企業をリストアップして」「この事業の強みと弱みを深掘りして」と指示を出すというものです。
これにより、リサーチにかかる労力と時間が、体感で「10分の1」にまで短縮されました。
ーー10分の1ですか。それは圧倒的ですね。
はい。リストアップや初期の深掘りをAIに任せ、出力された候補の中から「これは使えそうだ」という銘柄だけをピックアップし、最終的には自分の目でIR情報や決算書を読んで検証します。
情報収集を効率化したことで、より多くの銘柄を精査できるようになりました。
ただし、AIの情報を鵜呑みにしないこと、そしてSNSで過度に話題になっている銘柄には安易に近づかないこと。これらには、常に注意を払っています。