期待先行の高市相場「真価は今後問われる」億トレ兼業投資家が見る「今後の株式市場」の行方

グロース株投資で成功を収めた兼業投資家キリン氏は、年初の衆院選の相場に乗り、今年はすでにプラス20%の投資パフォーマンスを出していると言う。
年初に「日経平均6万円」を予想したキリン氏に今後の株式市場の見方などをうかがった。インタビュー連載全2回の第1回。
目次
グロース銘柄の投資で成功
ーー2月の衆院選の前後で株式市場が上昇するなど、相場には大きな変化がありました。まずはご自身のスタイルを紹介ください。
私は関西に住む兼業投資家です。勤め先の部署の関係で長く株式投資が規制されてきましたが、異動により株式投資ができるようになり、投資歴は約11年です。株式投資を始めた頃は、アベノミクス中期で地合いが強く、また、小型グロース株の値動きもいい時代でしたので、中小型株をメインに手がけており、現在に至ります。
割安感のあるグロース株に投資するスタイルで資金を増やしてきましたが、近年は大型株中心の相場が続いていることから、テーマ性のある大型株の投資も取り入れています。
様々な失敗をしてきましたが、「正しいのは自分ではなく相場」を肝に命じ、とにかく1取引で大きな傷を負わないことを徹底しています。細かい損切りが私の投資の特徴です。
初心者の方の中にはどうしても損切りに抵抗が強い方もいらっしゃると思いますが、細かく損切りすることで多くの投資家が陥る“一度の投資で大きな損失を抱える状態”を回避し、次の取引に向けた準備に入ることも可能になります。
ーーキリンさんといえば神戸投資勉強会の主催者としても知られています。
東京と関西そしてオンラインで、神戸投資勉強会という株式投資の勉強会を2019年から行っています。上場会社の社長やCFOに登壇していただき、会社説明を聞き、直接質問をぶつけるアクティブな会です。勉強会の後には交流会も開催していますが、勉強会参加者の出席率が非常に高く好評です。
2026年はプラス20%の投資パフォーマンスでスタート
ーー昨年はプラスのパフォーマンスながら指数に負けて悔しい思いをした、と前回うかがいました。2026年がスタートしてまだ2ヶ月ですが、今年の状況はいかがでしょうか。
2026年は、今のところ+20%のパフォーマンスです(2月末時点)。日経平均と概ね同水準であり、大したパフォーマンスではありませんが、着実に積み上げられればと思っています。
ーー総選挙前後の上昇相場に乗れた状態でしょうか。
いわゆる「高市関連銘柄」をそれほど持っているわけではありませんが、先日の衆院選前後の上昇相場の恩恵は一定程度受けられたと思います。高市政権発足以降の株式市場は上昇が続いており、投資家として高市総理には感謝しかありません。
期待感で上昇が進んだこれまでの高市相場
ーー衆院選前からの上昇相場も一服した状態となりましたが、今後の国内株式市場についてどのように見ていますか。
遅かれ早かれ6万円には到達するのではないでしょうか。
ーー日経平均6万円突破後の株式市場をどのように見ていますか。
6万円突破が一時的になるか、定着するか、そこから先は分かりません。冷静に考えると、これまで国内株式市場は高市政権への期待感で上昇が進みました。確かに2月の衆院選で高市総理の自民党は圧勝しましたが、魅力ある野党がなく野党がボロ負けしただけ、と考えることもできます。
ーー確かに高市政権が発足したのが昨年10月なので、まだ政権発足から半年も経過していません。
高市政権は色々言われていますが、政権発足から半年もたっておらず、政策的な実績はまだほとんど出ていません。これまでの国内株式市場の上昇は、高市政権の政策が評価されて上昇した訳ではなく、何かやってくれるのではないか?という期待感で上昇したと認識すべきでしょう。
ーー株価は期待感で上がることが多いですよね。
そうなんです。政権発足、そして衆院選での勝利という高市政権への期待感で上昇が進んだ国内株ですが、さすがに期待感のみでの上昇は一服する可能性があります。具体的な数字をあげて説明すると、現在の日経平均のEPSは2800~3000円です(2月末時点)。
過去の日経平均PERは16倍程度ですが、現在は20倍程度まで上昇しています。日経平均のPERで見ると、やや過熱感があります。相場は上昇トレンド時でも上下を繰り返しながら進むため、今後反落する可能性は否定できません。
ーー下落時はどの水準まで落ちる可能性があるとお考えでしょうか。
相場は行き過ぎることもありますが、日経平均PERで見ると現在の20倍から16倍付近まで下落が発生しても不思議はありません。日経平均PERの20倍から16倍までの下落を値幅で考えると、約1万2000円です。現在、日経平均は6万円を見据える状態ですが、短期的に5万円を割れる可能性は十分あると思っています。