エネルギー株はもう旨味なし?資産10億円超のベテラン投資家が「証券・ヨウ素セクター」を選ぶワケ

本稿で紹介している個別銘柄:石油資源開発(1662)、日本郵船(9101)、飯野海運(9119)、GMOフィナンシャルホールディングス(7177)、トレイダーズホールディングス(8704)、三井海洋開発(6269)、K&Oエナジーグループ(1663)
米国の政策転換や中東情勢の緊迫化など、世界の不確実性が一気に高まっている。日々のニュースを見て「とりあえず現金比率を高めて嵐が過ぎるのを待とう」と考える投資家も多いかもしれない。しかし、インフレが進行する中で現金を抱え込むこと自体にもリスクが伴う。
「実は、相場の激しい値動きを逆手にとって利益に変える銘柄や、地政学リスクを根底から回避できる“隠れたお宝銘柄”があるんです」ーーそう語るのは、資歴25年以上・資産10億円超のベテラン投資家、DAIBOUCHOU氏だ。
数々の相場をくぐり抜けてきたDAIBOUCHOU氏に、定番のエネルギー株に潜む死角と、いま本当に狙うべき意外な銘柄群について伺った。
みんかぶプレミアム特集「激動 トランプ一強時代の勝ち方」第6回。
目次
有事の「とりあえず現金化」は危険
ーー米国の政策転換や中東情勢の緊迫化で、相場の値動きがかなり激しくなっています。先行きが見通しにくい局面では、現金比率を高めて様子を見るのが正解でしょうか。
たしかに現金を多めに持つのは、リスクヘッジのひとつでしょう。ただ、インフレが進むなかで現金のまま置いておくこと自体にもリスクがありますし、何もしないで休むだけが選択肢ではありません。
相場が荒れているからこそ、その「値動きの激しさ」そのものを利益に変えるやり方があります。
また、地政学リスクの影響をまったく受けない銘柄や、むしろそれが猛烈な追い風になる銘柄に資金を向けるというアプローチも十分に機能する相場です。
ニュースでよく名前が挙がる定番銘柄だけでなく、少し角度を変えて拾える銘柄をいくつか紹介しましょう。
買うべきは「石油資源開発」「日本郵船」じゃない?
ーー有事の原油高と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、石油資源開発(1662)などのエネルギー関連や、日本郵船(9101)などの海運大手です。今から乗っても間に合いますか。
エネルギー関連や海運大手は、たしかに足元のマクロ環境では強烈な追い風を受けています。ただ誰もが思いつく王道銘柄だけに、株価もよい材料をかなり織り込んでいる面があります。
ーー中東情勢の影響でタンカーなどのスポット運賃が上がれば、海運株はそのまま儲かるイメージを持っていましたが、違うのでしょうか。
実はタンカー運賃などは、数年単位の長期固定契約が一定の割合を占めています。そのため、有事でスポット運賃が一時的に跳ね上がっても、それがすぐ会社全体の利益拡大に直結するわけではありません。
長期契約の船は以前の安い運賃で運び続けるため、投資家が期待したほど業績が伸びないこともよくあります。
もし海運株の中で少し視点を変えるなら、ケミカルタンカーを主力とする飯野海運(9119)にも注目しています。
ケミカルタンカーの運賃引き上げという本業の伸びしろがあるうえに、この会社は霞が関にある「イイノホール」など、都心の一等地に不動産を大量に持っています。
その含み益は1000億円規模ともいわれています。運賃の動向だけでなく、こうした強固な資産価値まで含めて評価すれば、指標面での割安感があり、下値への不安も小さいと考えています。