ガーシー騒動で支持率3倍増!政治家女子48「ヒカルくん、国会へ立候補」打診で始まる新劇場

 「帰国する」「帰国しない」「登院する」「登院しない」のすったもんだで世間を騒がせたガーシー元参院議員(現・容疑者)に対し、警視庁が議員除名を待っていたかのように、逮捕状を請求した。常習的脅迫や名誉棄損の容疑だが、事実であるとしたら極めて遺憾なことである。とは言え、今回の一件で注目すべきなのは、彼を擁立した政治家女子48党(旧NHK党)の立花氏の動きである。「選挙」と「政治」を分けるという、奇想天外な発想を持つ立花氏の次なる狙いとは。

ついに警視庁がガーシー容疑者の逮捕状を請求

 インターネット上の動画投稿サイトで繰り返し著名人を脅迫・中傷をしたとして、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)や名誉毀損の容疑で、警視庁は3月16日、暴露系YouTuberのガーシー(本名・東谷義和)元参議院議員の逮捕状を取ったと、報道各社が報じている。参院の「除名」で議員の身分を失ってから、わずか1日で「容疑者」へと転落した。

 ガーシー容疑者は、現在、中東・アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに滞在している。

 読売新聞(3月16日)によれば「警視庁幹部によると、前議員は昨年2~8月、芸能人、実業家、デザイナーの男性3人に対し、ユーチューブで配信した動画内でそれぞれ脅迫や名誉毀損にあたる発言を繰り返した疑い。デザイナーに対しては、事業からの撤退を強要したほか、業務を妨害した疑いも持たれている」。

 また「警視庁による事情聴取の要請は、昨年12月以降、合わせて6回にのぼり、ガーシー容疑者は、日本に帰国して聴取を受ける意向を示していたが、結局、応じることはありませんでした。先週も『議場での陳謝』に向け帰国する予定だったのに合わせ、警視庁は事情聴取のタイミングを探っていましたが、実現しませんでした。ある捜査幹部は『堪忍袋の緒が切れた』と話していて、証拠隠滅のおそれもあるなどと判断し逮捕状の請求に踏み切りました」(NHKニュース・3月16日)という。

極悪・ルフィでも帰国は逮捕請求3年半後…ガーシー容疑者の帰国はいつになるのか

 堪忍袋の緒が切れた、とはずいぶん私的な怒りにも聞こえるが、警察庁は今後、旅券返納命令を出すよう外務省に要請し、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配するという。「警視庁は、相手国の協力を得るなどして、ガーシー容疑者が日本に帰国した段階で逮捕したい考え」(同NHKニュース)であり、UAEが身柄引き渡しに協力するかどうかは不明だ。

 日本が犯罪人引き渡し条約を結んでいるのは米国と韓国だけで、それ以外の国に滞在している場合、引き渡しに応じるかどうかはその国の判断次第のためだ。また、外務省による旅券返納命令についても、外務省が有効な逮捕状があるかどうかなどを審査し、所在の調査などを進めた上で本人に命令を伝え、その上で、指定した期間に返納しなければ旅券が失効するという時間のかかるものだ。また、失効したからといって、UAEにおいてすぐに不法滞在となるかが不明で、現地当局に拘束がなされるのかも不明だ。

 ちなみに60億円以上の被害を出したフィリピンのルフィ特殊詐欺事件においても、警視庁は2019年7月には逮捕状を取得していたにもかかわらず、帰国が実現したのは2023年2月であり、逮捕状取得から3年半かかってしまっている。ガーシー容疑者の問われている容疑も、ルフィと比べてしまえば ”迫力不足” の面があろう。

 ガーシー容疑者は、この国際手配に関して、動画サイトで「日本には帰りません。窮屈な世界に帰りたいと思わない」「一生帰国しない覚悟ができた」と述べた。自身の除名処分については「除名は完全に民主主義を否定している」「(支持者には)入れてくれた票を無駄にしてしまったことは反省しています。ほんまにごめんなさい」と話している。

多数決の横暴を知るはずの共産党までもがガーシー容疑者の除名に賛成

 私は、今回の「除名処分」について、注目していた党がある。日本共産党である。日本の憲政史上における除名処分は、過去に共産党員が受けている。川上貫一衆院議員(共産党)が「国民の大多数は占領軍の早期撤退を望んでおります」と本会議で述べたところ、自民党の前身である自由党などが、議院の品位を傷つけたとして懲罰を要求。「議場での陳謝」を命じられた共産党の川上議員はこれを拒否し、除名となった。

 議院の品位を傷つけたかどうかという、主観にまつわる事項で、国会を除名されているのである。国会の多数派が考える「国会の品位」なるもので除名をしていたのでは、民主主義は成立しない。事実、自民党議員で、逮捕されても除名となっていない人物はいる。国会法で規定されているというのであれば、国会法なり、ルールを変えようとすべきだろう。それこそが立法府というものだ。

 私は、NHK党、それに連なる政治家女子48党に投票したことはないし、NHKをぶっ壊さなくていいと思っている。直したほうがいいところはあると思うし、掲げる公約の中には賛同できることもある。とはいえ、立花孝志元党首の繰り出すスタンドプレイにはあまりいい気持ちを持っていない。

 しかし、日本人が選んだ代表を多数決で除名とするのは、いささか乱暴すぎるだろう。除名を受けて、共産党の穀田恵二国会対策委員長は、記者会見で「国会議員には国民の代表としての重い責務があるが、国会法に違反する行動をとっているので、除名は当然だ」と述べたことは残念でならない。朝日新聞も除名を容認する社説を掲載している。政治的なスタンスを超えてほしかった。

 そんな政治家女子48党だが支持率は回復したようだ。NHKの行った世論調査では、政党支持率は0.1%から0.3%へと3倍増。支持層が多少かぶることからライバルと目される参政党は、0.6%から0.1%と6分の1へと激減してしまった。立花元党首は笑いが止まらないだろう。

「政治と選挙を分離する」…統一地方選で立花党首はどう立ち回るのか

 さて、そんな立花氏が、次に何を仕掛けてくるか。立花氏は、ガーシー容疑者の立候補の背景をこんなふうに語っている。

「衆院選挙は、参院選挙と違って、全国を11ブロックに分けた比例選挙が行われます。つまり、それぞれのブロックにリーダーが必要になってくるのです。例えばですが。東京ブロックはホリエモン(堀江貴文氏)に任せます。南関東ブロックは、ヒカルチームに任せます」

「僕は国会へ出席してくれなどと、ひと言も言うつもりはないし、さっき話した『繰り上げ制度』を利用すれば、最初の1カ月だけで国会議員を辞めたとしても、比例リストの2番目にいる人が繰り上げ当選をするのです。例えば、私が参議院議員を2カ月で辞めたときには、浜田聡(現参院議員)が繰り上げ当選して、今も頑張ってくれています」

「ヒカルくんに立候補してもらうのであれば、『比例リストの2番目にする人をオーディションします』という形にしてもいいと思います。そうすると『人気はないけど政治家をやりたい』という人がたくさん集まってくるでしょう。これはつまり、『政治』と『選挙』を分離するという考えなんです。私は3年前からその考えを実践してきました。その意味で、政治家に法律の立案能力などは要らないのです。そもそも今の国会議員の方々にも、政策立案能力がないじゃないですか。彼らの場合でも、秘書に作らせている場合がほとんどです。国会議員になれば、公費で秘書を3人雇うことができる。この3人に政策を作らせればいいのです。それであれば、政策を作る人は、オーディションで集めてきてもいいでしょう」

(引用はすべて、みんかぶマガジン2022年11月22日「立花NHK党首『ヒカル・堀江貴文・新庄剛志・朝倉未来・浜崎あゆみを国会議員に』」より)

 立花氏は「政治」と「選挙」を分離するという考えを明らかにしている。つまり、有権者に人気の高い候補を立て続けながらも、国会では違う人物が活動すればよいという考えだ。この考えであれば、ガーシー容疑者が除名され、次の人物(堀江貴文氏の秘書、齊藤健一郎氏)が繰り上がり当選したことも、立花氏のそもそもの戦略でしかなかったことが理解できる。統一地方選挙に向けて、立花氏と政治家女子48党は、はたしてどのような立ち回りをするのであろうか。

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