独身女性への偏見を危惧…スープストックの離乳食提供騒動にトイアンナ「日本が独身差別国家になる」
スープストックトーキョーの離乳食提供について、一部利用者から反発する声が上がり、ネットで話題となった。反対する人たちに対して「心が狭い」などという言葉も投げかけられたが、エッセイストのトイアンナ氏は「『これだから独身女性は…』という論調」に疑問を呈する。
スープストックトーキョーの離乳食無償提供
都心部を中心にスープを提供するチェーン店「スープストックトーキョー」は2023年4月25日から、離乳食の無償提供を開始した。もともとスープストックトーキョーはハラル食、咀嚼配慮食など、多様性を意識したさまざまなスープを販売してきた。さらに、同グループの店舗「100本のスプーン」でメニューに離乳食を用意していたことから、離乳食提供に対するハードルは低かったといえる。
スープストックトーキョーに限らず、チェーン店が子供向けに特別プランを提供する例は少なくない。サイゼリヤでは3歳以下ならソフトドリンクが飲み放題だ。モスバーガーでワイワイセットを頼むと、おもちゃがついてくる。くら寿司では、子ども向けに5皿頼むとガチャを引けるサービスがある。親子連れ客を獲得すれば子どもが自然とそのチェーン店で食べることを学習し、世代を超えて顧客になってくれる。
チェーン店の中でも比較的新参といえるスープストックトーキョーにおいても、次世代の顧客獲得は重要テーマだろう。実際、導入を発表したスープストックトーキョーのプレスリリースにはこう記載されている。
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お客様のライフステージが変わり、ご家族やお子様と一緒にご来店いただく方も増えてきた中、Soup Stock Tokyoとしてお子様の成長を一緒に見届けることができればという思い、そしてお父さんやお母さんと一緒に食事の時間を楽しんでいただきたいという思いから、離乳食のご提供をはじめました。
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本件はマーケティング上も理にかなった施策であり、広報面でもポジティブな反応が期待されただろう。ところが、この試みは思わぬ反響を呼ぶことになる。
スープストックトーキョーへの反響や論争
SNS上でスープストックトーキョーに対する反応を要約すると「賛否両論」だった。最初期は母親層からの「助かる」「連れていきたい」といった声が相次いだ。しかし、続いて湧いたのは独身女性からの反発だった。