規制は今後も難しい…ポケカで大儲け「転売屋の高笑い」に弁護士「明白な害悪がない」SUV・アイドルチケットも
転売によりポケモンカードの値段が高騰している。転売行為を繰り返す”転売屋”に対し、ネットでは批判の声が高まるが、法律などで規制できないものなのだろうか。作家・小倉健一氏が野澤隆弁護士に聞いたーー。
世界で起きる転売騒動「何が悪くて、何がいいのか」
チケットやゲーム機などを大量に購入し、定価よりも高い値段で転売するいわゆる「転売ヤー」が社会的な問題になっている。つい先日も、アイドルが出演する舞台などのチケットを不正に転売したとして福岡市の無職の男が神奈川県警に逮捕されるという事件が起きている。
NHK(7月6日)によれば、同容疑者は「チケットを自ら購入したり、SNSで募集した人物に購入させたりした疑いがあり、警察はおよそ1億6000万円の売り上げがあった」とみられていて、「警察によりますと去年からことしにかけて、アイドルが出演する舞台などのチケットあわせて6枚を定価よりも高いおよそ68万円で不正に転売した疑い」「中には定価の30倍以上の値段で転売したチケットもあった」「容疑者はチケットを自ら購入したり、ほかのメンバー2人とともにSNSで「買い子」を募集して購入させたりした疑いがあり、調べに対し「生活費や借金の返済にあてた」などと供述している」「2019年以降の4年間におよそ1億6000万円の売り上げがあった」という。
英国の新興自動車メーカー、イネオス・オートモーティブ(化学大手イネオス傘下)が発売した大型SUVのグレナディアも人気が爆発し、新車の納品は14か月かかる。中古車が新車の値段を上回ったこともあって一部の新車購入者に転売制限がかけられた。この中古車を買って、高値で売る行為は単純に中古車屋さんのビジネスモデルそのものだ。転売ヤーに批難が集まるポケカも含めて、メルカリでそれら商品を扱うこと自体が否定されるなら、メルカリやフリーマーケットの存在そのものが否定しなくはいけないことになりかねない。私たちは、いったん、何が悪くて、何が良いのかを整理しなくてはいけないだろう。