民間企業なら絶対許されない…政治家が繰り返す「減税の法改正は時間がかかる」の大嘘「本当は能力がないだけ」
国民が疲弊しているなか増税をしてきた岸田文雄政権。「増税メガネ」などと不名誉なニックネームがSNSで話題になった。その増税メガネというイメージを払拭したい岸田総理だが、なかなか直接的な減税政策が出てこない。
一体なぜ、政府はこれほどまでに減税を否定するのか。国際政治アナリストで早稲田大学招聘研究員の渡瀬裕哉氏は「そもそも既存の政治家は、減税法案を作り上げる能力がない」のに「減税は法改正が必要なために時間がかかる」などという嘘をつき続けていると指摘する。短期集中連載の6回目ーー。
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政治家が繰り返した「減税は法改正が必要なために時間がかかる」の言い訳
政治家が減税をやらない言い訳の常套句がある。それは「減税は法改正が必要なために時間がかかる」というセリフだ。
そして、彼らは散々時間をかけた挙句、税率自体を引き下げる形の減税は絶対にやらず、特定の対象にのみ政策減税(利権誘導)を実施する。その上で、政策減税の対象にならない層には「単なるバラマキ政策のほうが直ぐに実行できるので如何でしょう」と嘯いている。
国会議員が然も尤もらしく語ると、「減税は法改正が必要なために時間がかかる」は、事情を知らない国民には一定の合理性がある主張のように見えるかもしれない。しかし、このような頓珍漢な言い訳を許していたのでは、日本の政治のレベルはいつまで経っても低いままだ。
筆者は政治家と減税について会話するたびに、耳にタコができるほどにこのフレーズを聞いてきた。もはや初めて耳にしたのが何時になるかすら忘れてしまった。(時間がかかるにしてもとっくに減税できていないとおかしいほどに・・・。)
与党がつくった税制改正の慣習に従う理由はない
さて、実際のところ、通常のペースで減税を実現する法改正を行うにはどの程度の時間がかかるのだろうか。