日本が英国を抜き世界2位のアクティビスト大国に…海外投資家に狙われている「日本企業」株高に引き寄せられるバトルロイヤル
昨年に続き、2024年も「物言う株主」であるアクティビスト投資家が。日本企業への働きかけを強める1年になりそうだ。日経新聞の上級論説委員兼編集委員である小平龍四郎氏は「1つの会社をめぐってバトルロイヤルゲームが起こりうる」と解説する――。
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「証券取引所が企業価値向上を促す」日本のシステムは珍しい
史上最高値をうかがう日本の株価。企業の経営者は喜んでばかりはいられない。株高に引き寄せられ、世界中の物言う株主(アクティビスト)が東京市場に集結しつつあるからだ。日本企業の成長性や生産性はまだ低く、株式市場の要求水準を満たしてはいない。現実と期待のギャップを埋めるべく、アクティビストたちが苛烈な要求を突きつける日は近い。
現在の株高の背景には、東京証券取引所が昨年より「資本コストや株価を意識した経営」を求め、その進捗の具体的な指標として「株価純資産倍率(PBR)」に関心が集まったことがある。1月企業による企業価値向上策の開示も進んでおり、その企業の一覧表も東証が公表するというという念の入れようだ。