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国民をキレさせる天才…岸田首相「納税呼びかけ」で支持率過去最低16.9%!「万博延期を」と権力闘争を仕掛けてきた高市早苗の初の女性総理説

 2025年に予定されている大阪・関西万博開催がピンチを迎えている。想定以上の費用膨張に加え、元日に発生した能登半島地震の復旧・復興に支障が生じるとの見方からだ。

 そんな中、時事通信が実施した2月の世論調査によると、岸田内閣の支持率は前月比1.7ポイント減の16.9%で、発足以来の過去最低を更新したという。また自民党の政治資金問題を棚にあげ「(所得税の確定申告について}法令にのっとり適切に申告、納税を行うようお願いしたい」と国民に呼びかけ、国民を今一度激怒させた。

 そこに、高市経済安全保障担当相が岸田首相に「万博延期」を進言し、岸田政権を内から揺さぶりかけてきた。経済アナリストの佐藤健太氏は「開催費用が膨らむことに加え、今後の政治日程を見ても『万博延期論』が再燃する可能性は高い」と見る。

目次

高市経済安全保障担当相が岸田総理を急襲「被災地復興と万博開催の両立は難しい」

 自民党派閥の裏金事件への対応で頭を抱える岸田首相を急襲したのは、高市早苗経済安全保障担当相だった。高市氏は1月16日に岸田氏と面会し、能登半島地震の復興を優先すべきとして大阪・関西万博の開催延期を進言したのだ。高市氏は1月30日の記者会見で真意をこのように説明している。

「(被災地は)資材不足や人手不足もあって大変な状況なので、万博は延期した方がいいという声をいただいた。能登半島の復旧・復興に支障が生じることがないように、という思いがあったので1月16日に首相にお伝えした」

 高市氏は、岸田首相から1月26日に電話があって「被災地復旧には支障が出ないように配慮する」と伝えられたといい、最終的には「首相の決定に従う」との意向を返したとしている。所管外とはいえ、閣僚が首相に“進言”をすることはあるだろう。

 2月3日の「X」(旧ツイッター)への投稿では、閣僚公務ではなく議員政務で首相と面会したといい「被災地復旧と来年4月の万博開催の両立には強い不安を抱いている事を話しました。仮にドバイ万博の様に開催を1年延期するような事になると、総理にしか判断できないレベルの大きな話ですから、『総理の御決定には、従います』とも申し上げました」と説明している。

岸田首相「万博の延期・中止の必要はない」

 岸田政権の公式見解は、あくまでも「万博の延期・中止の必要は認識していない」というものだ。高市氏が1月27日の講演で“首相への進言”を突如公表したことには、野党から内閣不一致との批判がわきあがる。ただ、首相の女房役である林芳正官房長官は記者会見で「高市氏の発言は、復興に支障がないようにしてほしいとの趣旨だ。閣内不一致とは認識していない」と説明。自見英子万博相も「大阪・関西万博を中止・縮小・延期する必要があるとは現時点では認識していない」と強調している。

 首相官邸サイドが静観しているのは、高市氏には首相方針に異を唱えた“前科”があるからだろう。2022年12月に岸田首相が防衛費大幅増に伴う増税プランを決める際、高市氏は「賃上げがされているか来年の春闘を見てからにすべきだ」と首相に異論を唱えたことがある。高市氏は閣僚懇談会の席で岸田氏に直接伝えたといい、記者会見では「間違ったことを申し上げているという考え方はございません。罷免をされるということであれば、それはそれで仕方ない」とまで啖呵を切った。

高市氏の異論に首相官邸サイドが静観できるのは理解できる

 岸田氏が勝利した2021年9月の自民党総裁選で「総理・総裁のイス」を争った高市氏は、ハト派と称される岸田氏とは対照的な保守政治家の筆頭格だ。路線の違いから閣僚辞任カードで方針転換を迫るとの見方もあったが、最終的に高市氏は首相方針に従う考えを示し、「みんなが納得する着地点が見いだされた」と矛をおさめた。政府関係者の1人は「高市氏に同調する議員が思ったよりも少なく、まだ“勝負時”ではないと見て振り上げた拳をおろしたのではないか」と当時を振り返る。

 自分の仕事に倒れるほど全力投球し、思ったことは陰ではなく表で言う―。そのような高市氏のキャラクターや“前科”を踏まえれば、万博開催をめぐる「異論」にも官邸サイドが静観するのも理解できる。今回の“進言”についても、高市氏は1月30日の会見で「首相を信頼してお任せしたい」と発言を後退させており、首相サイドは現時点でこれ以上の炎上はないと安心しているように映る。

岸田首相再選は危うく、次は女性首相誕生か。上川、小渕、高市らが候補

 ただ、今回の高市氏の発言は防衛増税の時とは異なる重みを持つことは間違いない。同じ人物から発せられた異論とはいえ、当時とは政治情勢が全く違うからだ。あえて触れるまでもなく、岸田首相は今年夏の自民党総裁選での再選を目指している。だが、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で自民党内のパワーバランスは大きく崩れ、もはや再選を危ぶむ声が支配的だ。党内の期待は「女性首相」の誕生に傾きつつある。

 首相が率いた「宏池会」(岸田派)をはじめ、最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)や「志帥会」(二階派)など6つの派閥のうち4つが解散することになり、今年の総裁選は派閥に属さない無派閥議員の支持が勝敗を左右することになる。

 次の自民党総裁候補としては、女性で上川陽子外相や小渕優子選対委員長らの名があがるが、その筆頭格は高市氏だろう。岸田氏に迫った前回総裁選で高市氏を全力サポートした安倍晋三元首相は不在となったものの、「安倍路線」を継承する保守派の代表として党内の人気は根強い。1月のFNN世論調査でも「次の首相」候補として岸田氏にダブルスコアをつけている。

 無派閥の高市氏は党内基盤が弱い点がネックだったが、自民党の保守系議員が集まる「保守団結の会」では顧問につき、政治信条が近い議員からは「ポスト岸田」を期待する声が強い。派閥崩壊によって総裁選出馬に必要な推薦人20人を確保するのは容易となり、前回総裁選に続き岸田氏の最大の脅威となるのは間違いなく高市氏になるはずだ。

もし高市氏が万博延期を争点に自民党総裁選に出馬したら

 そこで予想されるのは、高市氏が今夏の自民党総裁選に出馬した場合、大阪・関西万博の開催が争点に浮上すること。現時点では岸田政権の公式見解通り万博開催への動きが進んでいるが、総裁選に出馬する高市氏が「万博延期」をぶち上げることがあれば事態は大きく異なってくる。

 万博開催を推進してきた日本維新の会の馬場伸幸代表は記者会見で「高市大臣が大阪・関西万博の延期などの検討を求めたのは完全に閣内不一致で、国家的なイベントで閣僚の足並みがそろわないのは憂慮すべき状況だ」と指摘。延期を主張し続けるならば閣僚を辞任すべきと牽制するが、高市氏が出馬準備のため総裁選前の内閣改造でポストを離れることがあれば「閣内不一致」もなくなる。

 政府は万博に直接関係する国費負担が1649億円になると発表しているが、関連費用は当初よりも膨張を続けており、費用面から「中止」を求める声も一部であがっている。こうした声を背景に、高市氏が総裁選で「万博延期」を唱えれば自民党所属議員や党員の票の流れは激変するだろう。現職首相である岸田氏の「予定通り開催」とは対照的に映り、女性初の首相誕生を一気にたぐり寄せる可能性がある。

高市氏はドバイ万博延期の事例を示した

 高市氏が万博延期の「例」として示したドバイ万博は、2020年10月20日から2021年4月10日に予定されていた。だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ、開催を約1年間延期した。それが決まったのはUAE(アラブ首長国連邦)が会期変更を提案し、2020年4月にBIE(博覧会国際事務局)加盟国が投票、同意したことによる。つまり、開催の半年ほど前だ。

 大阪・関西万博は2025年4月13日から10月13日に開催される予定だが、高市氏は今夏の自民党総裁選で「万博延期」を掲げることはあるのか。誰が出馬するとしても、総裁選での最大の争点には「総理にしか判断できないレベルの大きな話」が浮上することになりそうだ。

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この記事の著者
佐藤健太

ライフプランのFP相談サービス『マネーセージ』(https://moneysage.jp)執行役員(CMO)。心理カウンセラー・デジタル×教育アナリスト。社会問題から政治・経済まで幅広いテーマでソーシャルリスニングも用いた分析を行い、各種コンサルティングも担う。様々なメディアでコラムニストとしても活躍している

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