住友・関電が30年トップを独占…大阪経済にブレーキをかけ続けた大経連の大罪「次々と東京に移転」
東の東京とともに西の中心都市として栄華を極めた大阪。だが、2018年度は地域GDPで愛知県に抜かれ、かつての活気は遠い過去の話となりつつある。大阪・関西万博で起死回生を目指すが、そんな中、一つの課題として浮かび上がってきたのが、経済の担い手たる大阪・関西財界のあり方だ。「みんかぶプレミアム特集:大阪沈没~名古屋に完敗、福岡に抜かれる」第2回はベテラン経済記者が、大阪・関西財界の現状と問題点を浮き彫りにする。
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「まだ会長を続けるつもりなのか」…万博を前にざわめく関西財界
2025年4~10月の大阪・関西万博開幕まで900日を切り、大阪を中心とした関西経済界が盛り上がり始めている。その関西経済界の課題と言えるのが、〝オールド〟な経営者・企業による長年の「親父支配」だ。
財界の総元締めの関西経済連合会(関経連)会長の松本正義・住友電気工業会長は現在78歳。これまで関経連会長のポストは、住友電工を含む、限られた数の古い大企業の間だけで回してきた。しかし、大阪経済が現状のような地盤沈下に至ったのは、新しい血と若い発想をリーダー層に取り込んでこなかったからにほかならない。親父支配を打破し、新風を吹き込むことこそが、大阪経済復活のカギを握る。
「(万博については)最後までやらなければならないと思っている」
今年9月上旬、あるメディアのインタビューに松本氏がこう答えたことに対し、関西財界周辺ではざわめきが起きた。
「松本氏は、まだ関経連の会長をやる気なのか」
松本氏が就任したのは2017年。会長の任期は2年で、松本氏は今は3期目だ。任期は23年5月に満了する。そして、万博の開幕は25年4月。冒頭の松本氏の言葉は、23年5月以降の4期目の続投に意欲を示したものととらえられたのだ。
確かに松本氏は万博の誘致に力を尽くし、企業からの寄付金集めにも辣腕を振るってきた。しかし、万博が開かれるころ、1944年9月生まれの松本氏は80歳。「いくらなんでも居座りすぎなのではないか」という声が出るのは無理もない。
次期会長有力候補を襲うネガティブ報道…「なぜこの時期に?」
実は、松本氏に代わる有力な後任候補として取り沙汰されている人物がいる。鉄道や百貨店、不動産などを手広く手がけ、関西で強いブランド力を誇る阪急阪神ホールディングス(HD)の角和夫会長(73)だ。