「天才的記憶力で父を補佐」金正恩が公開した謎の少女…北朝鮮”初の女性トップ”に布石
「北朝鮮の尊貴なお子様」は在日社会でも話題に
北朝鮮がミサイルを相次いで発射する中、金正恩総書記が発射実験場に同行させたひとりの少女が話題になっている。その少女について朝鮮中央通信は、名前までは言及しないものの「尊貴なお子様」と表現しており、諸外国のメディアは、「どうやら金総書記の娘ではないか」と報じている。
韓国のある情報機関は、さらに踏み込んで、今回公開された少女は「元バスケットボールプレイヤーのデニス・ロッドマンと面談した金ジュエではないか」という見解を示している。またアジアプレス(11月30日付)では、2人の北朝鮮人の見解を紹介しており、彼女を金総書記の子女であるとしたうえで「とにかく頭の良い秀才で、一度見たことはすべて覚えるすごい記憶力だという噂が流れています」「ミサイル発射するのに連れて行ったのは、娘が大変な天才で、金正恩を補佐しているという噂が流れています」などと伝えている。
もちろん、この少女のことは在日朝鮮人社会でも話題になっていて、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙「朝鮮新報」でも、11月27日付で朝鮮中央通信の引用記事として紹介されている。日本人の多くは、朝鮮新報は、在日朝鮮人のための新聞メディアであると考えているようだが、実は北朝鮮直属の宣伝機関でもある。朝鮮新報の人事は、朝鮮総連中央本部が握っており、実質的に朝鮮総連が支配する組織である。
今回、金総書記の子女の記事が朝鮮新報に掲載されたということは、在日社会に対してその存在を広く知らしめようという面も持っていることは間違いない。そのため、今回の記事の掲載は、金正恩に極めて優秀な子女がいること、その子女が後継者になり得るということを、在日社会にも広めたい狙いがあるものと思われる。
総連は後継者候補の天才ぶりをアピールするが、在日の反応は冷ややか
だが在日朝鮮人の社会が、北朝鮮政府の思惑通りに受け止めているのかと言えば、決してそんなことはない。ある総連関係者はこう語る。