貧困で就学困難児童130万人の衝撃…超インフレでも増税にひた走る「鬼の岸田政権」ランドセル無償化の意味
40年11カ月ぶりのインフレが進む中、子育て世帯の負担軽減のため、ランドセルの無償配布を始めた自治体があるという。経済的理由から就学困難になる小中学生は130万人もいて、その多くが母子家庭だ。シングルマザーの貧困にもっと手を差し伸べないと、インフレによって教育格差がさらに深刻化してしまう。この状況でも岸田文雄政権は更なる増税を目指すが、ニッポンはどうなる……!? ライターの夏野氏が書く――。
ランドセル無償配布は果たしてメジャーになるのか?
低所得の親を持つ子どもたちへの教育支援はどうあるべきか。
学校教育法第19条には「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」と書いてある。就学が困難な小中学生への経済的な援助は、法律では市町村の義務なのだ。
こうした法律があるためか、コロナ禍によって打撃を受けている子育て世帯への経済的支援を目的に、ランドセルの無償配布を始める自治体が出てきた。2022年10月、富山県立山町がランドセルに代わる通学用リュックサックを来年入学する新小学1年生に無償配布した。リュックサックは「わんパック(One-Pack)」という名称で、立山町の依頼によりアウトドア用品メーカーのモンベルが開発した。わんパックは同社のオンラインショップでも12月中旬に発売(1万4850円、税込み)されたが、人気が高く、現在は売り切れてしまっている。
首都圏では、埼玉県秩父市でも同様の取り組みを始めており、2023年度の新1年生が秩父地域でランドセルを購入した場合、5万円を上限に補助金を支給するという。また日立市など茨城県の複数の市町村では、第1次オイルショック時の物価高騰を受けて、1975年度から新1年生にランドセルを贈呈しているそうだ。
入学の準備にあたって、ランドセルの平均購入価格は平均5万4600円である。そのほかにも入学式用の服、上履き、体操着や体育館シューズ、文房具一式、その他音楽・図画工作の教材などを揃えなくてはならならず、これらにかかる費用は平均10万円だという。ランドセル無償配布の背景には、こうした負担に子育て世帯が耐えられなくなってきているという実態があるのかもしれない。