さわかみ投信・澤上篤人「金融緩和バブルは必ず崩壊」今年は1929年以来の世界恐慌…”音楽が鳴る間は踊り続ける”
長期金利の上昇が続き、波乱の予兆を感じる2023年の日本市場。わが国長期投資運用のパイオニア、澤上篤人氏は現状を、金融緩和バブル崩壊目前と断じて、ことあるごとに警鐘を鳴らしてきた。ではこれから一体、何が起こり、投資家たちはどのように動いていけばいいのか。
日銀政策転換は焼け石に水…金利上昇は誰にも止められない
年末年始、各メディアでは、世界経済や日本経済のゆくえ、株式市場や為替相場がどうなるかなどの予測や分析に躍起になっている。そこで私の意見だが「予測よりも、自分はどう行動するかを考えよう」だ。アメリカ・FRBの利上げや中国経済の動向、ウクライナ戦争の行方など、世界経済に影響を及ぼす問題が山積していることは確かだが、そうした予測や分析は評論家に任せておこう。肝心なのは、個人として、投資家として、今の流れにどう対応するかだ。
今、世界経済で起きているのは、ひと言で言えば、長年続いた世界的な金融緩和策に対して、市場からインフレと金利上昇という2つの刃が突きつけられているということだ。金融緩和で紙幣を多く刷れば、紙幣の価値は下がる。紙幣の価値が下がればインフレになる。インフレになれば金利を上げざるを得ない。これが経済合理性というものだし、今の世界経済の大きな流れだ。この現実を受け止めたうえで、私たちは生活者としてどのように対応していくかが求められている。