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S&P500信者を待つ本当の地獄…さわかみ投信・澤上「これから価格は低位停滞する」…それよりももっといい投資はある

 これまで、6回にわたって「ほったらかし投資」の様々な手法を紹介してきた。最終回は、わが国投資ファンドの草分け、さわかみホールディングスの澤上篤人さんに登場していただく。みんかぶプレミアム特集「ほったらかし爆上げ投資」第7回、始祖が語る、誰もが資産形成を目指せる「ほったらかし投資」の “正道” とは。

目次

「ほったらかし投資」は長期投資の “極意”、それは間違いない。だが… 

 まず私が言いたいことは、「ほったらかし投資」は長期投資の “極意” だということ。これは間違いない。ただし、世間で言われている「ほったらかし投資」の手法が、必ずしも最善の方法ではないということも、お伝えしておきたいと思う。

 いわゆる「ほったらかし投資」では「分散」という言葉が良く使われる。ここに私の見解とは相違があるのだ。一般的に使われる「分散」は、投資対象を広げてリスクヘッジをするという意味だ。やれ債券が何%、株はインデックスで何%、現金比率はどれぐらい、といった形でポートフォリオを組むことが、分散投資だと思われているようだ。

 だがこれは、現在の状況だけを見て、投資対象を分散するという考え方に過ぎない。私が考える分散投資とは、現在だけではなく、将来予測を見込んだうえで、投資対象を厳選していく、という意味だ。分かりやすく言うと、例えば今、シリコンバレー銀行の経営破綻が問題になっている。金利上昇で債券価格が下落して含み損が膨らんだことが発端だが、そもそも、問題が表面化するまでは、債券は、一般的にはリスクが少ないと思われていた。

 だがきちんと将来を予測していれば、インフレが進み、金利は上昇していかざるを得ないのだから、債券の比重を高めることが危険だということは自明の理のはずだ。時間とともに状況は変わる。状況が変わったら、安全だと思っていたものが安全ではなくなる。これではダメだ。今しか見ていないから、こうした資産配分をしてしまうわけだ。

 これまでも私は常々、インフレは不可避で債券価格が暴落すると伝えてきた。もっと大きく考えると、30年、40年スパンの金融緩和バブルがはじける目前にあるので、バブルの恩恵を受けてきた金融商品はすべて売って、バブルとは関係なく、実体経済で人々の生活に貢献している企業だけを保有すべきだと伝えてきた。そのうち、相場が大きく暴落したら、こうした銘柄を買い増しにいく。これが私の考える、時間軸での分散投資なのだ。

ほとんど “野垂れ死に” 状態の日本のファンド…やはり正解は「オルカン」「S&P500」か

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この記事の著者
澤上篤人

澤上篤人(さわかみ・あつと) さわかみホールディングス代表取締役、さわかみ投信創業者。1979年から96年までピクテ・ジャパン代表を務めた後、96年にさわかみ投資顧問設立。日本の長期投資ファンド運用の第一人者として多くの個人投資家の支持を集める。「さわかみファンド」1本の運用で、純資産は3300億円、顧客数11万7000人を有する。

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