大した団体ではない統一教会をいつまで私たちは「過大評価」するのか…戒名100万、ジミヘンギター5000万は霊感商法か
縄文末期、さらには人類始祖期まで遡って除霊。やはり理解できない統一教会の教え
安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件を契機として、世間は「統一教会(世界平和統一家庭連合)」への批判で溢れかえっている。逮捕された山上徹也容疑者が「安倍元首相と統一教会の関わり」を暗殺の動機だと主張しているためだ。
その山上容疑者の供述が明らかになって以来、政治家(特に自民党安倍派)と統一教会との関わりは、徹底的に批判され、終わりの見えない展開になっている。
たしかに、私たちの感覚からして、統一教会がこれまでしてきたことは、異常と思えるようなことがたくさんあった。文鮮明氏の自叙伝『平和を愛する世界人として』にも、ミステリアスな記述が満載だ。例えばこんな記述がある。
文氏は、信者の結婚式において自らの「純潔」を主張する新郎に対して、「休暇をもらってソウルに来る途中、旅館に入っただろう。その日、赤いチマを着た女と一線を超えたじゃないか。はっきり分かっているのに、なぜ嘘をつくのか」と怒り、その新郎を追い出した。その頃の文氏には、心の眼を開くと、何を隠していても分かるようになっていたのだという。
日本で布教に努めていた統一教会が持ち出したのも「先祖の色情因縁」だ。ここからの話は、『霊と金 スピリチュアル・ビジネスの構造』(桜井義秀・著)によるものだ。統一教会では「〇〇さんの10代前の先祖は身持ちが悪く、女性をたくさん泣かせていた。その因縁が子孫に出る」などと言って、「先祖解怨(せんぞかいえん)をせよ」と迫るのだ。文氏の著書にもあったように、霊能の鑑定でなんでも分かるらしい。
先祖解怨には、夫婦それぞれの父母の家系で4系統が必要で、それぞれに70万円で、計280万円。さらに、七代遡るごとに3万円が必要で、文氏が「120代まで先祖解怨すること」(1999年の発言)としているので、計算すると500万円弱(484万円)必要になる。120代遡ると、日本では縄文末期になるという。2006年には「先祖解怨式を210代までしなさい」としているので、210代、つまり6300年前の先祖の悪行を許してもらわないといけない計算だ。6300年前になると、人類の始祖・アダムとエバにたどり着けるということらしい。
体の中に入り込んでしまった悪霊を追い出すのも一苦労で、鮨詰め状態で座っている人を本気で叩くことが必要なのだという。もちろん、自分も思いっきり叩かれることになる。叩いていると従軍慰安婦の霊が女性信者に取り憑くようで、その場で除霊をしてもらえるのだという。