GAFAからGATAへ…シリコンバレーで地殻変動!時価総額ランキングを駆け上がるヘルスケア企業にベゾス熱視線(みんかぶ特集「米国株の底値」)
ウェブ3.0の盟主、ネクストGAFAMは果たして現れるのか? シリコンバレーからテキサスにハイテクベンチャーの拠点が移動しているというのは本当か? みんかぶプレミアム特集「米国株の底値」(全10回)の第7回は、当地のビジネスに精通した山根節さんに、アメリカ経済、いや世界経済をリードするアメリカのイノベーション最前線を伝えてもらう。それとともに、なぜ、日本にはGAFAMが生まれないのか、彼我の違いも解き明かす。
目次
アップル330兆円、マイクロソフト260兆円…桁違いのシリコンバレー企業の時価総額
ヒューレット・パッカード、インテル、サン・マイクロシステムズ、シスコシステムズ、オラクル……、そしてグーグル(現アルファベット)、アップル、フェイスブック(現メタ・プラットフォームズ)、アマゾンのGAFA各社。名だたる最先端ハイテク企業が集まり、世界のイノベーション拠点となっているアメリカ・カリフォルニア州シリコンバレー。世界中のヒト、モノ、カネを集めて多くのサクセスストーリーを生み、現在のアメリカ経済、そして世界経済をリードしている。
では、いま、シリコンバレーではどのような革新が起こっているのだろうか。コロナ禍で、日本にいては、なかなか現地の生の姿が伝わりづらくなっているが、シリコンバレーの企業の隆盛や最新動向を知るには、時価総額ランキングを読みとくことが最も手っ取り早い。単なるランキングと侮ることなかれ。資本主義の総本山、アメリカ経済のダイナミズムは、必要なところに必要なお金が集まるところにある。時価総額ランキングの変遷を見れば、アメリカ経済、社会がどこに向かおうとしているかを読みとくことができるのだ。
例えば、直近のデータで見ると、アップルが1位で時価総額が2兆2800億ドル超、日本円にすると330兆円超で、2位サウジアラムコの2兆ドル、3位マイクロソフトの1兆8000億ドルを引き離している。4位にアルファベット、5位にアマゾンと続くが、ここまでは時価総額が1兆ドルを超えていて、日本一のトヨタ自動車の時価総額は1900億ドルの水準だから、5倍以上の企業価値の違いがあることになる。
このあたりの順位は今年になってから不動で、サウジ国営の石油会社、サウジアラムコを例外として、マイクロソフトを含めたGAFAMの企業が上位を独占する構図は変わっていない。唯一、メタ・プラットフォームズだけが年初の6位から、現在はベストテン圏外に落ちている。これはインターネット広告のプライバシー保護規制の影響で業績が悪化したことが原因で、メタはこの1年間で株価が半減している。