ロシア「全面核戦争」のカウントダウン…ウクライナ侵攻、最終局面でプーチン最後の懸け
ロシアの核行使は現実的な安全保障の猛威
ロシアが戦術核等の核戦力を何らかの形で行使するか否か、はウクライナ情勢に関する最も関心が高い問いの一つと言えるだろう。そして、将来の出来事を予測する場合、最悪の事態が実際に起きると想定して考えるのは当然のことだ。
現段階ではロシアは「自ら先に核を先制使用することはない」と主張しているが、彼らはウクライナ側の仕業に見せかけて事件を起こし、それを大義名分としていつでも核行使に踏み切れるとみることが妥当だ。
ロシアが限定的にでも旧東欧地域で核戦力を使用したことが確認された場合、西側諸国はロシアに対して何らかの報復措置を取るだろう。そして、それが核戦力による報復であった場合、核報復のエスカレーションによって世界は破滅的な事態を迎えることになるだろう。
ただし、ロシアの核行使に対して西側諸国が過度なリスクを冒すかは疑問だ。民主主義国における国民の生命は政治的に高価なものだからだ。仮にNATOがロシアへの報復として同国に軍事侵攻した場合、ロシアがNATO軍に対し核戦力を投入する可能性はゼロではない。