黒田総裁が辞めても金融緩和は続く、円安は続く「次の日銀トップは…」金融危機へ!渡辺喜美「怒りのインタビュー」150分 最終回
円安が止まらない日本だが、日銀の黒田東彦総裁が来年4月までの任期で退任すれば「次期総裁が引き締めに出る」などとも噂がされていた。しかし元金融担当相の渡辺喜美氏はそれを明確に否定する。そうなると円安は一体どこまで進むことになるのか、そして次の総裁は誰になるのか――。(渡辺喜美「怒りのインタビュー」150分 最終回)
第1回:中途半端な介入を続ける日銀の「天下り利権」…金融危機へ!渡辺喜美「怒りのインタビュー」150分 第1回
第2回:なぜ岸田政権は海外投資家にここまで評価されないのか「政変に焦る総理」…金融危機へ!渡辺喜美「怒りのインタビュー」150分 第2回
次期日銀総裁も金融引き締めはできない
――⽇銀の黒⽥総裁が来年春に任期満了を迎えます。次の⽇銀体制では何か変わるのでしょうか。
⿊⽥総裁は9月22日の金融政策決定会合後の記者会見で、フォワードガイダンス(金融政策の先行き指針)に関して「あと2、3年は変わりませんよ」と受け止められる発言をしました。これは黒田氏のアドリブだったと言われていますが、誰が次の総裁になっても⾦融緩和政策は続けざるを得ないよ、という意味なんです。
私流に解説させてもらえば、デフレギャップが続いている間は変更するのは無理ですよ。需要不⾜の時に⾦融引き締めなんかできるわけがない。だから、「あと2、3年続く」というのは、⿊⽥総裁はやはり元財務官僚だったということですよ。消費税増税を⽀援する⾦融政策だった。財政出動ではなくて、貯蓄が段々と溶け出していって⺠間需要が上向きになっていくんですよ、という発想なので時間がかかりますよ。米国みたいにワァーと財政出動をやれば、賃⾦もワァーと上がる。⽇本の場合には失業者が増えない代わりに賃⾦も上がりにくいという経済なので、需要不⾜がある間は⾦融政策を変えようがない。
岸⽥文雄内閣は、安倍晋三内閣と違って官邸主導の範囲が⾮常に⼩さい。⽇銀総裁⼈事という観点からいけば、黒田総裁が元財務省なので、次は⽇銀の番ということになるのではないでしょうか。そうなると、今の日銀の⾬宮正佳副総裁か、前の中曽宏副総裁ということなんですよね。⾬宮副総裁は⽩川方明前総裁にも⿊⽥総裁にも仕えており、いわば変幻自在の能吏ですよ。⽇銀官僚としての才能は⾮常に⾼い。⼀⽅の中曽前副総裁は信⽤機構課⻑をやっていたので⾦融危機の経験が豊富で、国際決済銀行(BIS)にも出向しており、国際⼈脈も豊かです。中曽⽒は日銀がマイナス⾦利を導⼊した時の急先鋒ですが、最近は「異次元緩和」のツケについても明言している。「フリーランチはない」という表現は財務省の代弁者のようでもあります。