祝日の朝に「円安ブーストモード」一時1ドル160円に…「困る度合いが日に日に高まる」「海外旅行行きにくい」「為替介入は時間稼ぎ」国力失った日本
今年のゴールデンウイーク(GW)は久しぶりの海外旅行を計画している人もいるだろう。大手旅行会社によると海外旅行に行く人は前年比67.7%増となり、コロナ禍前の9割程度まで回復すると推計されている。旅行意欲とともに高まるのは円安に伴う物価高の影響だ。政府は4月29日に為替介入に踏み切ったとみられるが、日米金利差を踏まえれば効果は限定的と言える。経済アナリストの佐藤健太氏は「為替介入は『時間稼ぎ』に過ぎず、1ドル=160円を超える円安は定着していくだろう」と見る。
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160円台から154円台まで一気に値上がりした
「為替相場の動向、為替介入については、その有無も含めてコメントは差し控える」。岸田文雄首相は3連休明けの4月30日、記者団からの円買い介入に関する質問に言葉を濁した。
日本が祝日の「昭和の日」を迎えた4月29日、通常通り取引されていた海外の外国為替市場では午前10時半すぎ、円相場が一時1ドル=160円台をつけた。1990年4月以来34年ぶりだ。しかし、午後1時すぎから急速に円高方向に転換し、その後は1ドル=154円台まで値上がりした。対ドルで6円近い急速な円高に市場関係者は「節目とみられた160円を超えたところで日本政府・日本銀行が為替介入に踏み切ったのだろう」と見ている。