なぜ井上尚弥は人を熱狂させるのか…ネリ戦報酬は10億円、日本市場最大のピーク視聴数を記録!見えた、400億円巨額ファイトマネー
4月6日に開催されたプロボクシング4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、王者の井上尚弥(大橋ジム)がWBC同級1位のルイス・ネリ(メキシコ)を6回TKOで下し、4団体王座の防衛に成功した。
独占ライブ配信したAmazonプライムビデオでは日本史上最大のピーク視聴数を記録し、2023年のワールドボールクラシック決勝戦(日本対米国)を超える注目度となった。経済アナリストの佐藤健太氏は「市場価値は急騰し、1試合で100億円稼ぐ日も来るのではないか」と見る。
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まさに「怪物」だった井上尚弥
34年ぶりの東京ドームでのボクシング興行で、日本人初のメインイベンターを果たした井上。自らが認めるように大舞台には堅さも気負いもあった。1回、顔面にネリの左フックを浴びた井上はプロ初ダウンを喫し、予想外の展開に約4万人の観客からは悲鳴が上がった。ただ、井上は直後のインターバルで冷静だった。モニターでどのようなパンチを受けたのかを確認し、吹っ切れた様子でリング中央に向かう。これまでの練習で「インプットできていたシーン」(井上)だったからだ。
2回にカウンターのフックでダウンを奪い返すと、5回には強烈な左フックで2度目のダウンを奪った。そして、6回は強いプレッシャーをかけながら右のパンチを打ち込み、フィニッシュ。ネリ戦では初ダウンを喫したものの「悔しいとかではなく、その出来事自体がハイテンションにさせた」という。試合中にもかかわらず、淡々と分析しながら動きを修正できるのは、まさに「怪物」ということなのだろう。
今回の報酬は10億円を超え、サウジでの興行では20億円近くなる
すでに数々の偉業を成し遂げてきている井上だが、この試合で手にしたものは決して小さくない。1つは「報酬」であり、もう1つは「市場価値」である。2023年に史上2人目となる2階級での4団体統一を果たした井上は、紛れもなく世界を代表するボクサーだ。今回の報酬はファイトマネー以外も含め10億円を超えるといわれている。東京ドームでの興行で大成功をおさめ、この報酬はさらに増加していくのは間違いない。