デジタル庁職員、タクシー強盗疑いで逮捕…それでも職員数は現状の1.5倍に拡大へ「マイナ保険証に国民の怒り爆発」

タクシー料金を踏み倒し、追いかけてきた運転手を殴ったとして、警視庁田無署は6月26日、強盗の疑いで、デジタル庁職員が逮捕された。マイナ保険証をめぐり国民の不満が高まる中、新たな火種になる可能性はある。作家で元プレジデント編集長の小倉健一氏が解説するーー。
目次
未だにフロッピーディスク使ってたのか…
目を疑うようなニュースが飛び込んできた。
<河野太郎デジタル相は14日の閣議後の記者会見で、撤廃を進めてきた「アナログ規制」のうち、法令などでフロッピーディスクの提出を求めていた行政手続きが6月中に全廃されると明らかにした。/フロッピーディスクをはじめとするアナログの行政手続きは、河野氏が2022年8月のデジタル相就任直後から問題視し、撤廃に着手。英BBC放送が「日本は時代遅れの技術に固執するオフィス文化でも悪名高い」と報じるなど、海外からも注目されてきた>(毎日新聞、6月14日)
いまだにフロッピーディスクを使っていたのか…。愕然としてしまうが、このニュースには大きく2つのポイントがある。
1つ目。フロッピーディスクをいまだに使っているようなアナログな行政組織において、デジタル化が進行すれば、以前よりは効率の良い行政組織が誕生することになるであろう。紙のクーポンを渡すよりも、デジタルクーポンを提供する方が、経費も削減でき、手続きも迅速に進むことが期待される。
根本的には行政の仕事そのものを減らすことがより重要
2つ目。しかし、それは単なる「ごく一部分の最適化」に過ぎず、根本的な問題の解決には決して至らないという点において重要である。これまで、医療や福祉分野の学術研究者や有識者が政府に対して繰り返し提言してきたのは、「大きくても効率的な政府」を実現することであった。しかし、現実には行政に効率を求めること自体が根本的に不可能であるという問題が存在する。民間企業が担うことができない非効率な業務を担うのが行政の役割である以上、大きくても効率的な政府という概念は、ただの幻想に過ぎないのである。