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支持率低迷でも鬼すぎる岸田政権「防衛増税」という後だしジャンケンに国民は怒り爆発!自民党総裁選「最大争点に」いい加減辞めてほしいの声

 岸田文雄首相の総裁任期が9月30日で満了を迎える。次の総裁の座をめぐり、茂木敏充幹事長、石破茂元幹事長、高市早苗経済安全保障相、河野太郎デジタル相らが候補として挙がっているが、国際政治学者で早稲田大学招聘研究員の渡瀬裕哉氏は、次の総裁選のキーワードは「防衛増税」だと語る。支持率低迷が続く中、衆院補選では連敗する自民党。解散もうたない岸田首相には党内外から「もういい加減辞めてほしい」という声が漏れ伝わる。渡瀬氏が解説していくーー。

目次

岸田首相による防衛増税は「後出しジャンケン」だった

 自民党総裁選挙が9月に予定されている。しかし、今回の自民党総裁選挙は誰が出馬するかも依然として不明瞭であり、誰が首相になる最有力候補になるのかも判然としていない。それは自民党内の大物の意向だけで決着がつく可能性が低く、国民から幅広い支持を得る必要があることを意味する。おそらく、候補者間で激しい政策論争が行われることだろう。

 総裁選挙における政策論争で議論になるであろうテーマとして、「防衛増税見送りに対する賛否」は注目に値する。岸田政権は一昨年の参議院議員選挙後に突如として防衛増税を打ち出した。岸田政権は同参議院選挙において防衛増税は公約にしておらず、完全に後出しジャンケンの増税宣言を行ったのだ。防衛増税の是非は次期総選挙において有権者の審判を受けるべき政策であるとともに、本来は自民党自らが無理筋の増税案であったとして見直すべき類のものだ。

中国は経済成長によって軍事費を年々増加。一方日本は…

 そもそも防衛増税自体は本当に必要なのだろうか。岸田内閣は2023年度から2027年度までの防衛費を約43兆円と見積もった。そのため、既存の防衛予算見通しとの差を埋めるための追加財源として14.6兆円を必要とした。財源捻出方法は税外収入で約5兆円、決算剰余金から3.5兆円、歳出改革で3兆円を捻出し、残余の不足分を増税によって賄うことにした。その増税額は、法人増税7000億円、所得税2000億円、たばこ増税2000億円で合計約1兆円となっている。

 世界の常識を確認しよう。当たり前の話だが、防衛費は経済成長によって増加していくものだ。日本が多額の防衛費を計上せざるを得なくなっている理由は、隣国である中国が著しい経済成長によって日本を遥かに上回る軍事費を支出する軍事大国になったからだ。

防衛費を継続的に増加させるための方法…税金を増やすことではない

 中国は直近30年間で軍事費を約40倍にも増加させたことにより、今や米国の覇権に対抗し得る能力を持つ挑戦国となっている。日本の防衛費増加が中国に比べて大きく劣後した理由は、防衛増税が実施されなかったからではなく、日本が経済政策に失敗したからだ。そして、その失敗の主要因が消費税を含めた増税であった。

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この記事の著者
渡瀬 裕哉

1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 早稲田大学公共政策研究所招聘研究員、事業創造大学院大学国際公共政策研究所上席研究員。機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。2016年トランプ大統領当選、2020年民主党による大統領・連邦上下両院勝利を正確に予測し、米国政治に関する分析力に定評がある。『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 』(すばる舎)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)

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