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米大統領選ハリス優勢報道「マスコミの嘘がそろそろバレる」16年トランプ当選を予言した政治アナリスト…選挙を左右する「ダブルヘイター」とは

 日本の株価はアメリカに連動しているという。そのアメリカの経済を動かすことになるのが11月の大統領選だ。ジョー・バイデン大統領が次の大統領選への出馬を見合わせ、民主党候補となった現副大統領のカマラ・ハリス氏。メディアはハリス氏が支持率でトランプを上回っていると報道しているが、国際政治アナリストで早稲田大学招聘研究員の渡瀬裕哉氏はこれに疑問を投げ抱える。2016年の大統領選で各メディアや識者が民主党ヒラリー・クリントン候補(当時)の優勢を伝える中、ずばりトランプ氏の当選をあてた渡瀬氏が解説する。勝つのはどっちなのか。短期集中連載第2回ーー。

目次

現在の支持率がハリスの天井に

 2024年7月、アメリカ大統領選挙は民主党候補者がバイデンからハリスに移ったことで、大統領選挙は仕切り直しになった。リベラルメディアのハリス推しキャンペーンの結果として、ハリスの全米支持率は急速に高まってきている。また、一部の世論調査では接戦州でもハリスがトランプを上回る数字を叩き出しつつある。

 日本のメディアではハリスがトランプを既に圧倒しているかのような報道が続いているが、そのような状況分析は本当に正しいのだろうか。また、ハリスの勢いは今後も衰えることなく、11月の投票日まで継続するのだろうか。筆者は現在のハリスの勢いが継続するという見立てに極めて懐疑的である。以下、その理由について述べていこう。

 ハリスの支持率の急上昇はリベラルメディアが彼女を偏向して取り上げることによって成り立っている。リベラルメディアがハリスの言動を取り上げる内容がSNSに木霊し、それが更にリベラルリベラルメディアの報道に繋がるループが起きている。少なくともこの手のキャンペーンは8月一杯継続することになるだろう。したがって、ハネムーン期間中にハリスの支持率が低下することはないが、現在の支持率がハリスの支持率の天井となる可能性がある。

ハリスを支持する「ダブルヘイター」の存在

 ハリスを支持する世論は2つ存在している。それは民主党左派からの支持とダブルヘイターからの支持である。

 ハリス=ワルツの正副大統領の組み合わせは、民主党左派からの熱狂的な支持を引き出している。これらの熱狂的な支持は8月以降も継続する可能性が高い。党内左派からの強烈な支持の高まりは、個人献金額増加などにも寄与する可能性が高く、ハリス陣営を財政面からも支える。したがって、バイデンからハリスに切り替えても、選挙スタッフの人件費等を維持し、接戦州での選挙体制を強化することができるはずだ。党内左派からの支持の高まりは良いこと尽くめのように見える。

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この記事の著者
渡瀬 裕哉

1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 早稲田大学公共政策研究所招聘研究員、事業創造大学院大学国際公共政策研究所上席研究員。機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。2016年トランプ大統領当選、2020年民主党による大統領・連邦上下両院勝利を正確に予測し、米国政治に関する分析力に定評がある。『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 』(すばる舎)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)

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