頼むから菅さん、もう一度総理をやってくれ…戦後最長の実質賃金マイナス実現「岸田首相、やっと退陣」大災難
岸田文雄首相は14日、来月予定される自民党の総裁選に再選出馬しない意向を明らかにした。岸田氏を巡っては、政治資金問題などで辞任を求める声が高まっていた。早くも次の総裁には石破茂氏、小泉進次郎氏、高市早苗氏などの名前が上がっているが、経済誌プレジデントの元編集長で、作家の小倉健一氏は特定の人物を挙げる前に「菅元首相の復権を願いたい」と語るーー。
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岸田首相は辞めるそぶりを一切見せていなかった
岸田文雄首相が退任を発表した。8月14日、11時半からの記者会見で、岸田首相は「自民党が変わることを国民の前にしっかりと示すことが必要だ。変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くことだ。来たる総裁選挙には出馬しない」と述べた。
岸田首相は、菅義偉氏が首相であった3年前、低支持率だった菅政権に対して「国民の声が届かない」と決めつけ、退陣へと追いやった。岸田首相自身も長らく低支持率が続いていたものの、辞めるそぶりは一切見せず、側近も岸田首相はやめないと、続投を主張していたので、永田町やメディアでは驚きが広がっている。
岸田首相の評価については賛否両論ある。元大阪市長で弁護士の橋下徹氏は「政治と金改革以外の政策の実行はかなり成果があったので残念だ」(X、8月14日)と高く評価できる部分があり、チャンネル登録者60万人以上のYouTuberであるKAZUYA氏は「岸田総理は政界のゴッホ。/多分いつか評価される。」(X、8月14日)として、死後に評価が高まった画家になぞらえて、岸田政権を高く評価している。
識者は岸田首相を称えるも「高い評価はできない」
しかし、私はあまり高い評価はできないでいる。
まず、第一に、異次元の少子化対策で税金をドブにして、国債を発行し、増税をしたことだ。そして、少子化は止まるどころか、さらに深刻になっている。こうした結末は岸田政権のすべてに通底することだが、「対策」には大きく予算をとるのだが、「結果」が伴っていないのだ。
少子化対策の政策パッケージが出る前から結論は出ていたことだが、子育て支援をいくら分厚くしても少子化は改善されない。少子化の原因は、(1)日本人の晩婚化と(2)
未婚率の上昇でほぼ説明できる。さらに、発展途上国の出生率が高い理由は、(3)高等教育を受ける女性が少ないことと、(4)避妊をしていないためだ。
3.6兆円もの予算を注ぎ込んでも全く効果が出なかった
少子化を解決したいなら、この(1)(2)(3)(4)のどれかに引っかかっていなければならないということだ。日本社会で(3)(4)の政策を実施するのは人権問題に発展するので、不可能であるが、少なくとも(1)(2)を改善する政策以外は少子化対策に繋がらないのである。
少子化対策に大失敗した韓国の韓半島未来人口研究院院長が言っていたことだが、「(現金し今日の効果を問われ)子ども1人当たり1億ウォンを支給する案について政府も調査を実施したところ、国民の6割以上が出産の動機づけになると答えている。だが、それは『考えてみようかな』という程度のもの。実際に産むという行動とは隔たりがあるとみるべきだ」という。つまり、アンケートなどで、少子化対策のために、教育費を全額税金で賄ってほしい、給食をぜんぶ税金で出させて欲しいという要望があったとしても、そこにはなんの実効性もないということだ。子育て支援で少子化は解決しないのだ。
しかし、岸田首相は、国債(こども・子育て支援特例公債)を発行し、増税(少子化支援金)をすることで予算を確保し、3.6兆円もの予算を、まったく効果が出ないことがわかっている子育て支援に多くをぶち込んだわけだ。少子化はどんどん進んでいる。退任表明の記者会見では「待ったなしの少子化に対応するために3.6兆円の大規模な少子化対策を実行する」などと成果の一つに勝手に数えているが、予算をたくさん出して、税金をムダにしたというだけだ。
能登地震の被災地も、補正予算は組んだものの、被災での復興は遅々として進まない現状がある。これも予算を用意しただけで、仕事をしたつもりになってるのだろう。被災地からは、菅直人元首相が東日本大震災で受けて以来の大ブーイングが相次いだ。
<岸田首相の能登半島再訪に被災者冷ややか 「パフォーマンスはいらない」><朝市の近くで支援物資を受け取っていた看護師の47歳女性は、自宅のある集落が孤立化し、市中心部にある父親の職場に高校生の次男と身を寄せる。視察の一団を遠目に見ながら「水道はいつ復旧し、仮設住宅にはいつ入れるのか。パフォーマンスはいらない」とつぶやいた>(産経、2月24日)
「とりあえず対策を立てておしまい」というのが岸田政権の本質
<自民党内からも「役人は情報が入らないと判断できない。リスク覚悟で大きな判断をするのが政治家の仕事だが、岸田首相はそれができていない」(無派閥の中堅議員)との声が漏れる>(朝日、1月14日)