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「日経平均株価は3000円になる、必ず暴落する」経済評論家・森永卓郎が大予言…私が7月に全株式を売却した理由

 原発不明がんと診断されながらも、積極的な発信を続ける獨協大教授で経済アナリストの森永卓郎氏。そんな森永氏は、「日経平均株価は3000円まで暴落する」と予測する。森永氏が考える“株式市場の正しい捉え方”について聞いた。

目次

日経平均は必ずまた暴落する

 私はずっと、「今の日経平均株価はバブルだ。絶対に下落する」と言い続けてきました。そして案の定、8月頭に大暴落したわけです。私自身は、日経平均が4万2000円を付けた7月11日、自分の持ち株を全部処分していました。われながら、本当にいいタイミングだったと思います。

 ただ8月の暴落時には、「一旦は切り返すだろう」ということもわかっていました。それはなぜかというと、過去の暴落すべてにおいて、一度は切り返しているからです。1929年の世界恐慌のときも、バブル崩壊のときも、一旦は切り返しました。そしてその後また、真っ逆さまに落ちていったわけです。

 だからいま投資をしている日本人の取るべき選択肢は、「いまのうちに全面撤退する」しかないんです。9月初旬現在、7月の高値から見て半値以上は戻したわけですが、これは経済が回復したのではなくて、ただの小康状態です。いま売れば、日経平均が最高値を更新したタイミングで買った以外のほとんどの人は、利益があるか、せいぜいチャラの状態で売り抜けられるはずです。

 小康状態は、決して長くは続きません。必ずいつか暴落します。日経平均は3000円まで下落します。

昭和恐慌とまったく同じ構図

 ただ私も、「このタイミングで暴落が始まる」とまで正確に予測することはできません。8月の暴落が示したように、暴落の瞬間を予測するようなことは、誰にだってできないのです。

 私は7月に持ち株をすべて売却しましたが、これも正直に言ってしまえば、原発不明がんだと診断されたので、生前整理を進める中での一環として処分しただけのこと。暴落のタイミングがわかっていたわけではありません。

 もちろん、8月の急落は日銀が追加利上げを発表したことに端を発するものですから、日銀が今後さらなる追加利上げをすれば、それが暴落のきっかけになるでしょう。ただ、日銀の様子を見ていると、現時点ではこれ以上の利上げを強行するとは思えません。

 1929年の世界恐慌は、日本にも波及しました。しかし世界の中央銀行は財政緩和の方向に向かっていたのに、ときの首相であった浜口雄幸の指示のもと、日本だけが財政緊縮と金融引き締め政策を取ったのです。結果としてその政策が昭和恐慌を引き起こしてしまいました。今回も、アメリカが利下げを表明する中、日本は利上げを表明。「あのときと同じことが起きている」と感じています。

 株価暴落のきっかけとなる要因については、いくつもの可能性が考えられます。たとえば台風によって農産物がやられたり、大地震が来て大きなダメージを受けたり。あるいはイスラエルとハマスの紛争が激化して日本に飛び火することから暴落が始まるかもしれません。「まさか、そんなことが起こるはずはないだろう」と思いましたか?ですが実際、世界はその繰り返しです。

 はっきりとした原因がないのに暴落するケースすらあります。世界恐慌は、いまだに何がきっかけであそこまで急落したのかがわかっていません。はっきりとしているのは、自動車株にとんでもない値段が付いていたところ、市場が開いてすぐにゼネラルモーターズ株の大量の売り注文が入り、それがきっかけとなって暴落が始まったということだけです。

 8月末にも、エヌビディアの純利益が前年同期比で2.7倍に増えたのに、株価が急落しましたよね。マーケットが「こんな成長じゃ物足りない」と感じたために株価が下がったわけですが、ひょっとしたらこういったことが大暴落のきっかけになるかもしれません。とにかく、いまは株価という名の風船がパンパンに膨らんでしまっている状況なので、何らかのちょっとしたショックですぐに破裂してしまうのです。

「日経平均株価はフェアバリュー」の嘘

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この記事の著者
森永卓郎

経済アナリスト。1957年、東京都生まれ。1980年、東京大学経済学部卒業。経済企画庁総合計画局、三井情報開発(株)総合研究所、(株)UFJ総合研究所を経て、獨協大学経済学部教授。専門は労働経済学と計量経済学。堅苦しい経済学をわかりやすい語り口で説くことに定評がある。昨年12月にステージ4のすい臓がんと診断されて闘病中だが、そんな中でもテレビやラジオ、書籍などでの情報発信に注力している。最新著『書いてはいけない』は、1か月で15万部を超える大ヒットに。

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