鈴木エイト徹底調査!総裁選候補、旧統一教会親密度チェック…「最も警戒する人」と小泉進次郎の懸念点とは
岸田文雄首相に代わる新たな自民党総裁は、安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに多くの議員との関係が表面化した旧統一教会と向き合うことになるだろう。候補の中には教団側との接点が確認されている人物もおり、国民も引き続き注視していかなければならない。ニュースサイト『やや日刊カルト新聞』主筆でもあるジャーナリスト・作家の鈴木エイト氏が、今回の総裁選候補と旧統一教会の接点について指摘するーー。
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長年に渡り政界を侵食してきた統一教会
多くの候補が名乗りを上げ注目が集まる自民党総裁選。その結果を気にしている団体がある。今回の総裁選を教団にとってのターニングポイントと捉えている統一教会(世界平和統一家庭連合/旧統一教会)だ。岸田政権の下で解散命令を請求された統一教会にとって、次の総理総裁に誰がなるかによって教団への対応に影響があると見ているのだろう。
長年に渡り政界を侵食し体制保護を受けてきた統一教会だったが、2022年7月に起こった安倍晋三元首相銃撃事件以後、重大な被害が継続していたことや政治家との関係が問われた。昨年10月には解散命令が請求され東京地裁で審理が続いている。
新総裁は、統一教会に対しどのような対応を取っていくのか。総裁選の争点にすべきポイントである。自民党総裁選に出馬の意向を示した政治家と統一教会との関係の現在地と密接度をまとめてみたい。
教団信者が「総裁選は高市氏一択」と投稿
・高市早苗
前回の総裁選で小林氏が前面に立って応援したのが高市早苗経済安全保障相だ。統一教会にとって「保守」という思想的な近さから、高市氏を支援するのではとの指摘もある。高市氏をめぐっては、01年に統一教会系メディアの月刊誌に対談記事が掲載され、教団関連団体がパーティ券を購入した疑いも報じられた。高市氏の地元・奈良県での接点も指摘されており、教団信者が「総裁選は高市氏一択」とポストするなど、統一教会サイドがアプローチする可能性もある。だが、高市氏の地元の陣営では統一教会の接近を警戒し、厳重なチェック体制を敷いているという。保守陣営からも嫌われているのが統一教会である。
・茂木敏充
茂木敏充幹事長も統一教会信者がパーティ券を買っていたことが報じられたり、地元栃木の自民県連副会長を務める県議が統一教会のフロント組織のひとつである「世界平和連合」の県連合会の代表を務めていたことが明らかになった。22年8月には幹事長として党内国会議員への自己申告点検を取り仕切ったが、その調査の甘さから総裁になっても統一教会問題への取り組みは期待できない。
石破氏は「関係を断ち切るべき」と名言している
・河野太郎
河野太郎デジタル相は、04年に統一教会関連団体の創設大会に祝辞を送っていたことが発覚している。だが、河野氏自身も関連を否定しているように、その程度の接点はこれまでの教団サイドの多方面への働きかけからして許容範囲内であろう。
河野氏は消費者相として22年に、霊感商法対策などを協議する有識者検討会を設置しているが、そのメンバーに全国霊感商法対策弁護士連絡会の紀藤正樹弁護士を選ぶなど統一教会が嫌うことを躊躇なく行う姿勢が見える。総裁となったら統一教会がもっとも敬遠すると見られる。
・石破茂
国民人気の高い石破茂元幹事長も同様に、17年に統一教会関連会社の社長から献金10万円を受け取ったことを明らかにしており、地方創生相だった15年6月には教団関連政治団体である世界戦略総合研究所の定例会で講演している。石破氏は22年に「自民党としても統一教会と関係を断ち切るべきであり議員個人としても関わるべきではない」と明言し、統一教会への強い対抗姿勢を示した。石破氏も総裁として統一教会に強い態度に出ると見られる。
上川、林氏は教団に強い姿勢で臨むことが予想
・上川陽子
上川陽子外相については、カルト団体の報復などを恐れない姿勢が見える。法務大臣時代に麻原彰晃教祖を崇拝する信者からの復讐が懸念されていたなかで、麻原を含むオウム真理教の元幹部計13人の死刑を執行している。統一教会にも恐れず躊躇なく強い姿勢で臨むタイプの政治家だ。
・加藤勝信
加藤勝信元厚労相も地元岡山で統一教会が開いた1万人大会に秘書が代理出席し祝電を贈っているが、それ以上の深い関係はなく、教団にとって有利になるとは思えない。
・林芳正
林芳正官房長官は21年9月に地元山口県内の林氏の事務所における統一教会関係者との面会がリークされた。教団サイドは盛山文科相や岸田首相など解散命令請求への意趣返しとして過去の接点をリークしてきたが、却って反感を買っただけであり、林氏も教団には強い姿勢で臨むだろう。
小泉氏の懸念点とは
・野田聖子