なぜ「兵庫県知事」にしがみつくのか…「退職金は1500万円以上」報道!「おねだり」「パワハラ疑惑」辞任要求されようが辞めないワケ
兵庫県の斎藤元彦知事が「パワハラ疑惑」「おねだり体質」で窮地に立っている。疑惑を告発した文書を配布した前県西播磨県民局長の男性職員が死亡し、知事の最側近である副知事が引責辞任を表明したのだ。斎藤知事への辞任圧力は日に日に強まっている。
ただ、斎藤知事は「県職員との信頼関係を再構築し、県政を立て直す」などと辞職しない考えだ。3年前の知事選で「守るべきは守り、変えるべきは変えたい」と県政刷新を掲げて初当選した斎藤氏。2021年の兵庫県知事選挙の告示前にはXで「兵庫県、はずかしい」などと現状を憂う投稿し(その後投稿は削除)、物議を醸していたが、ブーメランとして戻ってきた形だ。
そんな中でデイリー新潮は9月11日、兵庫県への取材から斎藤知事が仮に「この9月中に知事を退くとすれば」と前置きし、「約1561万円の退職金が支払われる計算」であることを報じている。
組織のハラスメント問題に詳しい経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が解説するーー。
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パワハラは、決定的な「一言」だけが原因とは限らない
ビジネスリーダー向けの雑誌『プレジデント』の編集部で13年間働き、さらに社員会(労働組合にあたる組織)の代表も務めた経験から、パワハラについて考える機会が多かった。ビジネスリーダーとして、部下を指導する立場にありながら、上司や経営陣の指導を受ける部下でもあるため、パワハラを「する側」でも「される側」でもあったという状況だ。また、社員会にはパワハラ被害の相談も寄せられていたため、経営陣に事態の解決を求めることもあったし、管理職としてパワハラ問題の解決を求められる場面もあった。