進次郎内閣…「菅幹事長、高市外務大臣、茂木財務大臣」最強布陣は増税政治家の排除から…その「想定内閣」とは
自民党総裁選が幕をあげた。過去最高の9人が推薦人20人を集め立候補したが、小泉進次郎氏の優勢報道が目立つ。では実際に小泉進次郎内閣が生まれた場合、どんな布陣になるのだろうか。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が分析するーー。
目次
国民が政治家に求める特性に3つの重要なポイント
次の日本の総理大臣を選ぶ、自民党の総裁選が始まった。
私は政治家に対して、国民が求める特性に3つの重要なポイントがあると考えている。まず1つ目は「実務能力」だ。これは首相が仕事をしっかりとこなせるか、問題を解決できる力を持っているかどうかである。例えば、大きな災害が起こった時に迅速に対応し、人々を安全に守るための指導力や判断力が求められる。リーダーが国民の信頼を得るためには、この実務能力が欠かせない。
2つ目は「公約の達成」だ。選挙の際、リーダーは国民にさまざまな約束をする。たとえば、日本維新の会は、選挙公約で<「減税」で物価高騰に対応し、景気回復を>などと主張し、増税なしで改革実現をすると言い切っているのに、国民民主が提出したガソリン減税に反対し、今度は大阪で宿泊税を増税するのだという。こうした有権者をバカにする態度をとる政党に未来はないだろう。政治家たちは、ただ口先だけでなく、実際に結果を出すことが求められている。
「政治家はズルをしない」この当たり前が軽視される日本
そして、3つ目が「ズルをしないこと」だ。ズルをしないというのは、汚職をしない、嘘をつかない、国民に対して誠実であるという意味だ。特に、政治家は国民の信頼を大切にし、自分の利益のために不正を行ってはいけない。たとえば、裏金を受け取ったり、法律を無視したりするような行為は、政治家として絶対に避けるべきである。
しかし、政治家が永田町という政治の中心で長く仕事をするようになると、もしくは永田町にどっぷり浸かったジャーナリストやコメンテーターは、どうしても「ズルをしないこと」が軽視させてしまう傾向がある。政治の世界では、時に裏での取引や、不透明な方法で物事を進めることが行われることがある。これに慣れてしまうと、リーダー自身がズルをしても大したことではないと感じてしまうことがある。しかし、国民にとっては、この「ズルをしないこと」が非常に重要なポイントだ。リーダーがどれだけ仕事ができても、嘘をついたり汚職をしたりすると、国民はそのリーダーを信頼しなくなる。
裏金問題にめちゃくちゃ怒った日本人
具体的な例として、自民党の裏金問題がある。この問題では、政治家たちが自分たちの利益のために裏金を受け取り、不正を行っていたことが明らかになった。この不正行為に対して、国民は非常に強い怒りを感じた。なぜなら、政治家たちが国民の信頼を裏切り、自分たちの利益を優先していたからだ。この事件を通じて、国民がいかに「ズルをしないこと」を重視しているかがわかる。
2021年に行われたイギリスの調査(『優れた政治家と政治的信頼』Viktor Orri Valgarðssonら)によれば、リーダーに求められる3つのポイントについて、有権者、ジャーナリスト、そして国会議員がどのように重要視しているかが調べられた。この3つのポイント(先の私のあげたポイントと似ている部分もあるが別のものだ)は「能力」、「誠実さ(約束を守ること)」、「信頼性(一般市民の考え方に通じていること)」である。
この調査でわかったことは、まず1つ目に、有権者は「信頼性」、つまりリーダーが一般の人々の気持ちや考えに共感できるかどうかを重視しているということだ。リーダーが国民の生活や悩みを理解し、同じ立場で考えることが求められているのだ。裏金などはこの信頼性をもっとも潰してしまうだろう。
政治家は、多少の悪いことをしてもバレなければ問題ないと思っているふし
2つ目に、政治家や政治エリートたちは「誠実さ」、つまり約束を守ることを重視している。彼らにとって、正直であることや、言ったことを実際に行動に移すことが大切だとされている。
3つ目に、ジャーナリストは「能力」、つまり仕事をうまくこなす力を重視している。これは、リーダーが難しい問題に直面したときに、しっかりと対処できるかどうかが重要だということだ。