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石破総理爆誕!「自滅の維新、増税の立民」あまりに美味しいこの状況「さあ衆議院解散!」明るい未来に就職希望だ!

 大波乱の自民党総裁選がついに幕を閉じた。8月中旬に岸田文雄首相が総裁選に不出馬を発表して以降、さまざまな情報が永田町を飛び交った。裏金問題等で多くの自民党派閥が解消した後に行われた今回の総裁選では過去最高の9人が出馬。そんな中でも結局、鍵を握っていたのは、菅義偉氏、麻生太郎氏、森喜朗氏といった自民党の重鎮であった。とくに派閥を最後まで残した麻生の影響は大きいものであった。そしてまさかまさかの結果に。石破JAPANはどんな日本の未来を描くのか。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が解説するーー。

目次

今回の結果には、まさかと驚く有権者も多いのではないだろうか

 長い、長い自民党総裁選挙が、ようやく幕を下ろした。今回の結果には、まさかと驚く有権者も多いのではないだろうか。まさに予想外の展開であり、今後の日本の政治に大きな影響を与えることは間違いない。ここでは、新政権が迎える近未来について展望してみようと思う。

 まず、岸田政権からのバトンタッチが持つ意味について考えてみたい。岸田文雄首相は、宏池会という派閥の出身である。この派閥は、財務省の影響が強く、高度成長期には税金を下げて経済成長を促進しようとしてきた。しかし近年では、特に消費税の増税に力を入れてきたことが目立っている。この方針は、国民にとっては負担となり、経済成長を阻害することがわかっている。あたかも減税することが人気取りで、増税を主張するのは立派なことだと繰り返し国民に刷り込んできたのが、岸田派なのである。

増税して、バラまく。バラまいて増税する

 岸田文雄首相は、政調会長時代(2019年)に、消費税増税について「消費税の引上げ、もちろん重要なことだと思いますが、この引上げをぜひ円滑に行うこと、日本の国として、消費税の引上げを円滑に行って、引上げの成功体験をしっかり実感すること、これは大変重要なことだと思います」「日本の政治は消費税率引き上げに様々なトラウマがある。成功体験を実感することが大事だ」と発言するなど、積極的に増税を推し進めてきた。

 増税して、バラまく。バラまいて増税するという、自民党政治の典型的な首相であったということだ。

 失策に次ぐ失策が続いている。「異次元の少子化対策」と称して、子育て支援に莫大な税金を投入したものの、少子化の本質的な原因には目を向けなかった。「少子化は、日本人の未婚率と晩婚化の増加によって9割は説明できる」という学者らのデータに基づいたアドバイスがあったにもかかわらず、政府はそれを無視し続けたのである。

少子化はさらに深刻化しており、政策は完全に誤った方向へ

 いくら子育て支援を強化しても、少子化の根本原因である結婚に関する問題にアプローチしなければ、少子化は改善されることはない。それにもかかわらず、少子化はさらに深刻化しており、政策は完全に誤った方向へ進んでしまった。

 驚くべきことに、退陣表明時の記者会見で首相は「少子化対策に多額の税金を投入した」と自慢げに語っていた。これが果たして成功した政策と呼べるのか疑問である。日本の行政は、いつからこのように合理性を欠いた方向へと進んでしまったのだろうか。

 同じ問題が経済安全保障についても言える。中国が半導体の原材料を買い占めたり、中国国内で不公平な経済政策を行っていることに対しては、国際社会と協力して改善を求めていくことが必要である。このような意味での経済安全保障には賛同できる。しかし、岸田政権はその一環として、日本国内での半導体製造を強化するためだけに、莫大な税金を注ぎ込んでいる。この投資が本当に日本の経済安全保障に貢献するのか、冷静に見極める必要がある。

中国が嫌がらせをしようと思えば、いくらでもその供給を妨害できる現状

 これがいかに間違った愚策かは、iPhoneの製造過程を考えればすぐに理解できる。

 iPhoneの製造工場は、世界中から原材料や部品を調達し、それを組み立てる場所にすぎない。その組み立てがどこで行われようと、それ自体が国家の安全保障に関わる問題ではない。半導体の製造もこれと同じである。半導体製造工場も、世界中から原材料や部品を集めて組み立てる場所であり、重要なのはそのサプライチェーン全体であって、どこで組み立てるかは安全保障に直接結びつくものではない。

 半導体の原材料や部品の中には、中国が高いシェアを持つものもあり、中国が嫌がらせをしようと思えば、いくらでもその供給を妨害できる現状がある。実際、コロナ禍という100年に一度の危機において半導体が不足したことは事実だが、現在はその不足状況はすでに解消されている。それにもかかわらず、こうした過去の状況に基づいて莫大な税金を投入する意味は極めて薄いと言わざるを得ない。

 さらに、注目すべき点は、過疎地域であった熊本に突然兆円単位の税金が投じられたことである。これにより、熊本が好景気に沸くのは当然の結果だ。これを見た自民党の政治家たちは、自分たちの地域でも同様の工場誘致を目指すようだが、これはあまりにも浅はかな考えである。

実はかなり有利なスタートを切ることにもなり得る

 単に工場を誘致すれば地域が潤うという単純な発想では、長期的な発展は見込めない。

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この記事の著者
小倉健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter :@ogurapunk、CONTACT : https://k-ogura.jp/contact

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