堀江貴文「日本の会社は社内政治が強い人が社長になってしまう」なぜ日本はアメリカに完敗しているのか
アメリカ大統領選は11月5日に投票が行われる。有権者はドナルド・トランプ前大統領(共和党)とカマラ・ハリス副大統領(民主党)のどちらを選ぶのか。
実業家の堀江貴文氏は「勝敗には、意外とX(旧Twitter)の影響も大きいかもしれません」と話す。同氏にSNSの分断やアメリカのテック業界の狙いなど、大統領選について幅広い角度から解説していただいたーー。
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分断されたSNSだけを見ていても、アメリカ大統領選の勝敗は見えてこない
ーーアメリカ大統領選は民主党カマラ・ハリスと共和党ドナルド・トランプの戦いになりました。この構図は、前回の構図とそこまで変わっていないように見えるのですが、いかがでしょうか。
そうですね。前回の大統領選は「白人対マイノリティ」の構図でしたが、その構図からそこまで変わっていません。
ただ一つ、今回注意しておきたいのは、カマラ・ハリスさんが蓮舫さんと同じように、高学歴エリートの女性候補なので、そうした属性の候補者を好まない有権者もいるのかな、とは思いますね。民主党支持者の一部は離反するかもしれません。
ーー以前のインタビューで、今の右派と左派は、SNS上で分断されているとおっしゃっていました。それはアメリカでも変わらないのでしょうか。
アメリカのSNSの分断はすごいですね。トランプ支持者はトランプのことしか見ていないし、ハリス支持者はハリスしか見ていない。だからこそ、それぞれの陣営のSNSだけを見ていても、本当の票数は読めないですよね。
今回の大統領選も接戦になり、いわゆるスイングステートと呼ばれる州における投票結果によって大統領が決まると言われています。スイングステートとは、4年に1度の米大統領選のたびに勝利政党がかわりやすい激戦州で、振り子のように揺れることからこの名前がついたといいます。フロリダやオハイオ、ペンシルベニアなどがそうです。
本当に何十票〜何百票差で決まる選挙と言われているので、スイングステートの票を勝ち取るべく、どちらの陣営もマーケティング費用をめちゃくちゃかけています。ドブ板選挙ですよね。
「スーパーPAC」(特別政治活動委員会)という仕組みで支援者たちから集金して、ネット広告などにその資金を充てています。その金額は年々増加していて、著名実業家のイーロン・マスクも、トランプ寄りのスーパーPACである「アメリカPAC」に7500万ドルを献金しています。他にも多くの資本家たちが、両陣営に寄付し、泥沼の戦いが繰り広げられているわけです。
トランプが前回大統領選に落選してしまった一つの要因
ーーとはいえ、両陣営ともにSNSを活用したマーケティングを展開していますよね。
SNSでは、各陣営がそれぞれ相手側が不利になるような情報もバンバン流しています。実は、イーロン・マスクがX(旧Twitter)を買収した狙いも、そこにあるのではないでしょうか。
実際に、マスクが買収する前のTwitterは、どちらかというと民主党寄りの投稿ばかりタイムラインに流れてきた印象がありました。「トランプは独裁者だ」とかね。トランプはアカウント自体BANされてしまいましたが、それが実は、トランプ落選に大きな影響を与えていたのではないか、とみています。
ところが、マスクがXを改革していった結果、今ではトランプ支持を表明するような投稿もタイムラインにたくさん流れてくるようになりましたよね。今回の大統領選でも、Xが重要な役割を果たすはずです。