国民民主党の「ホテル代112万円」消えた血税…玉木の擁護の声も元国会議員は「世論は不倫を嫌う、そして政治家は立場が厳しくなる」

先の衆議院議員選挙で議席数を爆増させた国民民主党。所得税がかかる年収の基準を現在の103万円から178万円へ引き上げるという政策はわかりやすく、国民に響いた。大躍進に連日のようにテレビで出演していた代表の玉木雄一郎氏だが、ここにきて不倫問題をFLASHにすっぱ抜かれた。政治活動で訪れた高松市内のホテルで不倫相手と密会していたという。そして日刊ゲンダイは国民民主党の「組織活動費」における「宿泊費」の多さも指摘する。2023年までの約3年で111万7372円にも及ぶという。ルポ作家の日野百草氏が解説する――。
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擁護する声より怖いのは不倫を許せないとする声なき声
「三木武吉だ、ミッテランだと20世紀の人物を持ち出して擁護するテレビのワイドショーがあったが現代では無理だろう。ああいうコメンテーターの下手な擁護は余計に玉木氏の不倫問題を長引かせかねない」
それこそ現役だった昭和の時代から日本の政治を知る革新系の元国会議員は「聖人君子たれ、とは言わないが」と前置きしてこう語る。
「現代、政治家の不倫問題は致命傷になる。擁護する声より怖いのは不倫を許せないとする声なき声だ。芸能人もそうだろう。たとえそのときは切り抜けても、いずれ報いを受ける、現代は本当にそういう事例ばかりだ。だから不倫は怖い」
不倫どころか公然と妾がいて当たり前の時代もあった。三木武吉とは元祖「ヤジ将軍」と呼ばれた大物議員。鳩山一郎と共に現在の自民党を作った人物だ。ミッテランは20世紀のフランス大統領である。両名とも、妾や愛人の存在を公言して憚らない人物だった。
「私もさすがに三木武吉に会ったことはないが(1956年死去)、妾を何人も囲っていたことは有名だ。ミッテランもそうだ。権力があれば女性の人権は蔑ろ、それで通る時代だったとしか言いようがない」
そして現代、国民民主党の玉木雄一郎代表が元グラビアアイドルと以前から密会、不倫関係にあった報道は首班指名選挙当日とあって政界に激震が走った。玉木代表はその事実を認めたが、さすがに三木のようにはいかなかった。
不倫は文化?なのか
三木は戦後、男女平等を定めた日本国憲法下の1952年、その妾問題から窮地に立った。「妾を4人も囲っている」「女性を奴隷のように扱っている」と他の国会議員から攻撃を受けた。
それに対して三木は「(妾は)4人ではなく5人」と反論、「老来廃馬」(年をとって役に立たないから処分するしかない馬のこと)のような愛人5人をそれでもずっと養っている、と開き直り、当時の有権者から「痛快」「大人物」と称賛されてトップ当選した。
確かに「それで通る時代だった」としか言いようのない話だ。ものすごく古い話のように聞こえるが数百年とか前でなく戦後の話だ。
政治家は、なぜ不倫で立場が厳しくなるのか
ミッテランもまた愛人について「それがなにか?」と開き直った。これについては他国の文化の話なので措くが、1990年代になると日本の芸能界では石田純一の不倫騒動に際し「不倫は文化」(本人は言っていないと説明)という流行語も生まれ、彼は世間から総スカンをくらった。政界でも船田元衆院議員の「政界失楽園」が問題となった。どちらも1996年の話である。