株価プレミアム付きのTOBも!?親子上場解消銘柄で値上がり期待の5銘柄…なぜ親子上場が減少しているのか
本稿で紹介している個別銘柄:GMOペイメントゲートウェイ(3769)、FDK(6955)、富士通(6702)、日産車体(7222)、日産自動車(7201)、デンソー(6902)、トヨタ自動車(7203)、イオンモール(8905)
親子上場は国内株式市場独特のものだ。以前より海外から批判の多い制度であり、東京証券取引所の市場改革とともに、親子上場も減少が進んでいる。しかし依然として親子上場を続ける企業グループもある。東証や海外からの厳しい視線もある中で、今後親子上場の解消の可能性がある銘柄を取り上げる。みんかぶプレミアム特集「2025年最強銘柄84」第5回「親子上場」ーー。
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日本独特の親子上場…着実に減少している理由
国内株式市場には、上場親会社を持つ上場子会社が存在します。いわゆる親子上場です。子会社上場は、上場親会社から見ると、子会社の上場時の売出により資金調達が可能であり、更にそのまま支配権の維持もできる、非常に便利な側面があります。
しかし投資家から上場子会社を見ると、株式の多数を握る親会社が存在するため、本当に外部株主を尊重した経営がなされるか疑問が残ります。またグループ経営という観点では、子会社上場で資本が社外に流出するため、一時的な資金調達のためにグループ全体の企業価値を犠牲にする面が否定できません。
これらの理由から、親子上場は以前から海外投資家中心に非常に評判の悪い制度でした。
2000年代半ば頃から、東京証券取引所も親子上場に対して一定の規制を始めました。更に2020年台に入り、東証が市場改革に本腰を入れると共に、親子上場へも厳しい視線が注がれるようになります。その結果、親子上場の数は減少に向かっています。
かつて複数の上場子会社を有していた日立製作所は、100%子会社化やファンドなどへの売却で現在は上場子会社がありません。完全子会社化のための、株価にプレミアムを付けたTOBも珍しくはなくなりました。