J2降格決定の札幌…本拠地・札幌ドームは更なる収益悪化の窮地!イベントの誘致に大苦戦、プロ野球もOP戦ゼロ、SNS上には無責任「解体論」

北海道日本ハムファイターズの元本拠地・大和ハウスプレミストドーム(旧札幌ドーム)がイベント誘致に苦戦しているという。さらに、北海道コンサドーレ札幌のJ2降格が決まり、暗雲が立ち込めているプレミストドームの今後はどうなるのか。SNS上には無責任にも解体を主張する声もあがっているが……。ライターの小林英介氏がレポートするーー。
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コンサドーレ札幌の降格が決定
悲しい結末だった。明治安田生命J1リーグ第37節の柏レイソル対ヴィッセル神戸戦が11月30日、三協フロンテア柏スタジアムで開かれ、結果は1対1のドローだった。この瞬間、J1の19位にいる北海道コンサドーレ札幌は降格圏となる18位以下が確定。2016年以来のJ2降格が決まった。札幌は翌日の12月1日にアウェーで広島戦(エディオンピースウイング広島)を戦う予定だったが、試合を戦わずして降格が決まってしまった。
「北海道コンサドーレ札幌を応援してくださるすべての皆様へ」。11月30日、札幌の公式ホームページが更新され、「本日の試合結果を以て、来季はJ2リーグでの戦いとなることが決定いたしました。(一部略)今年味わった悔しさを糧に、これからの険しい道のりの中で、今まで以上の大きな力をつけて国内最高峰リーグに戻って来ます」などと声明を発表した。その主は、代表取締役GMを務める三上大勝氏だった。
ミシャ監督は監督業からの退任を示唆
その翌日、降格が決まった後の試合。試合前、札幌の荒野拓馬主将はマスコミ各社の取材に答え、「勝ちきれず、苦しい今季だった。最後、(降格という)このような状況になったのは悔しい」などと悔しさをにじませた。一方、札幌のサポーターたちは、声を枯らして応援を続けた。しかし、試合は5対1と大敗した。12月1日の広島戦後、札幌の監督を務めるミハイロ・ペトロヴィッチ監督が会見で監督としての仕事を引退する可能性も示唆した。
「監督としてのキャリアを終えるかもしれない。95%(の確率)だ」
2006年の途中から来日し、1日に戦った相手でもある広島の監督を務めた「ミシャ」。2012年からは浦和レッズの監督に就任し、5年後には途中で解任されたが2018年からは札幌の監督として手腕を振るった。
「J2沼」と呼ばれるほど、J1に復帰するのは難しい
J2は「沼」と呼ばれているほど、一度落ちるとなかなかJ1に復帰することが難しいとされている。戦力が拮抗しており、情報もJ1と比べて入って来ることが少ないとの話もある。加えてモチベーションの維持が課題だ。「J1から落ちてきたクラブ」と、「J1昇格を目指そうと闘志を燃やしているクラブ」では、心の持ちようが違うとも聞く。