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飲み会に、三流は「行かない」、二流は「場所はどこでもいい」と言う。では一流は?東大生でも出世できないNG飲み会の特徴

 忘年会シーズンだ。それが終われば新年会シーズンに突入するわけで、「酒が飲める!酒が飲める!酒が飲めるぞ!」と息巻いていても、連続すれば体にがたがくるので、飲み会に対して億劫になりがちな人もいるだろう。そんな中で飲み会の接し方で「その人が一流かどうかわかる」と語るのは作家で経済誌プレジデントの元編集長、小倉健一氏だ。果たして一流の飲み会とはーー。

目次

飲み会を軽く考えるのは危険だ

 人と会って一緒に食事をするのは、正直なところ面倒だと感じる人が多いだろう。さらに、お金もかかるので、できれば避けたいと思う人も少なくない。特にリモートワークが広がった今では、仕事の飲み会に限らず、友達や仲間との飲み会ですら行きたくないと考える人もいるだろう。無理に付き合いで参加しても、楽しめないし、時間が無駄だと感じる人もいるかもしれない。

 だが、飲み会を軽く考えるのは危険だ。仕事でもプライベートでも、飲み会が持つ効果を見落としてしまうのは損をする可能性がある。たとえ学歴が高くても、仕事ができる優秀な人であっても、飲み会を否定してしまうと得られるチャンスを逃してしまうことがある。

 飲み会に行きたくない理由として、性格的に論理的な人が多い印象がある。そうした人たちは、飲み会の価値を具体的に説明されないと「ただのお酒の場」と捉えてしまうのだろう。しかし、飲み会には意外と深い意味や役割がある。それを理解すれば、参加する価値が見えてくる。

 そこで、飲み会がなぜ必要なのか、そして飲み会をどのように活用すれば良いのかを考えてみたい。研究論文や実例を参考に、飲み会を「一流」「二流」「三流」という視点で分けて説明する。これにより、飲み会を単なる時間やお金の無駄ではなく、有意義な場に変える方法を探ることができる。飲み会の持つ力を正しく理解すれば、きっと新しい気づきがあるだろう。

 ビジネスの場で行われる会食や飲み会は、ただの楽しい集まりではない。人と一緒に食事をする時間が、仕事仲間の結束力を強くする重要な役割を果たしている。これを裏付ける研究がある。「Eating Together at the Firehouse: How Workplace Commensality Relates to the Performance of Firefighters」(「会食の力:一緒に食べることがビジネスチームを強くする理由」2015年)という論文がそれだ。

頻繁に食事を共にするチームほど、協力して仕事をする

 この研究では、アメリカの大都市にある消防署で、消防士たちがどのくらい頻繁に一緒に食事をしているかを調べた。その結果、頻繁に食事を共にするチームほど、協力して仕事をする力が高いことが分かった。

 研究は、消防署の13施設で行われた質的調査や、395人の消防署オフィサーへのアンケートをもとにデータを集めた。そのデータによると、一緒に食事をする習慣があるチームは、仕事への満足度が高く、チームのパフォーマンスの評価も良い傾向にあった。食事を共にすることで、信頼感が育まれ、仕事中の協力が自然に進むようになるという。

 食事の場には特別な力がある。緊張をほぐし、リラックスした雰囲気を作り出すのだ。そのため、メンバー同士が心を開きやすくなる。また、仕事の話だけでなく、個人的な悩みや日常の話を共有するきっかけにもなる。この研究では、食事中の会話がチームの連帯感を高めるうえで大きな役割を果たしていると述べられている。

会食の習慣はチーム全体の協力を引き出す

 さらに、会食の習慣はチーム全体の協力を引き出す。一緒に食べることで、価値観や目標を共有しやすくなるからだ。データによると、頻繁に共食しているグループでは、職場での協力行動が目立つという。例えば、仕事中にお互いを助けたり、問題が起きたときに自然に協力し合うことが増える。

 企業もこのような会食の力を活用できる。特に、新しいプロジェクトを始めるときや、メンバー同士の関係を深めたいときに効果的だ。ランチミーティングや食事を伴うディスカッションは、職場のチームワークを高める良い方法だと言える。この研究が示す通り、食事を共にすることで仕事の効率や信頼関係の構築につながるのだ。

 チームで成功を目指すなら、結束力は欠かせない。その結束力を高めるために、会食の時間を取り入れることは非常に有効だ。食事の場が仕事の目標を達成するための第一歩となる。次に、飲み会でのふるまいについて考えてみる。スタンフォード大学ビジネススクールのトーマス・ハレル教授が行った研究によれば、社会で成功するために重要なポイントがいくつか見えてくる。この研究は、スタンフォード大学ビジネススクールを卒業した人たちを10年間追跡して調査したものだ。その結果、意外なことが分かった。

学業成績と社会での成功は関係がない

 まず、学業成績が優秀であることと、社会での成功にはほとんど関係がないという点だ。つまり、学校での成績が良くても、それだけでは成功につながらないということだ。それよりも重要なのは「会話力」だという。この会話力とは、ただ上手に話すということではない。いろいろな立場の人と上手にコミュニケーションを取れる能力を指している。

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この記事の著者
小倉健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter :@ogurapunk、CONTACT : https://k-ogura.jp/contact

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