「フジテレビ社長の記者会見は経営者として100点満点だ!」元経済誌編集長が大絶賛…日本社会は“質の悪い質問者”をどう扱うべきか

フジテレビによる10時間にも及ぶ記者会見が終わった。あまりの長さSNSでは「まだ続いているのか」「頼むからトイレ休憩とったげて!!」といった声があがった。またXでは「フジテレビかわいそう」がトレンド入りした。しかし、そんなかつて「民放の雄」と言われたフジテレビが大ピンチなのは変わらない。タレント・中居正広氏をめぐる女性トラブルの影響でスポンサー企業が続々と離れ、経営に打撃を与える事態に発展している。広告収入の激減がささやかれるフジテレビは、いつまで苦境に持ちこたえることができるのか。経済誌プレジデント元編集長で作家の小倉健一氏が解説するーー。
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質の悪い質問者が登場する場面
世の中の危機管理の専門家は、常に、炎上した会社の対応を厳しく批判するが、現実的な批判となっているのだろうか。また、日本社会において、オープンにすればするほどに報道の自由は実現されていくが、当然ながら、質の悪い質問者が登場する場面も増えることになる。
中居正広氏と女性とのトラブルにフジテレビの社員が関与していたと週刊誌で報じられた件を受け、フジテレビは1月27日に臨時の取締役会を開き、今回の問題に対する責任を取る形で港浩一社長と嘉納修治会長が辞任することを決定した。2人は同日午後に記者会見を行い、人権意識の不足を認め、深い反省の意を表し謝罪を述べた。辞任の申し出は臨時取締役会において2人から行われ、全会一致で1月27日付けでの辞任が承認された。
午後4時から行われた記者会見では、フジテレビおよび親会社であるフジ・メディア・ホールディングスが連名で説明を行った。会場には報道関係者を中心におよそ400人が集まり、オープンな形式で進められた。この会見では、今回の問題に至る経緯や企業としての対応、再発防止策についての詳細が語られた。港氏は自らの経営責任を認める発言をし、視聴者や関係者に対し深い謝罪の言葉を述べた。また、嘉納会長も取締役会において十分な危機管理意識を持てなかった点を反省し、視聴者や社員に対し直接謝罪する姿勢を見せた。
会見は1月27日午後4時に開始され、異例の長時間にわたった。質疑応答は日付をまたぎ、終了したのは翌日午前2時24分であった。10時間以上続いたこの会見では、問題の背景や責任の所在について厳しい質問が相次ぎ、フジテレビ側はひとつひとつ丁寧に回答を行った。
やり直し会見は「20点」という声
具体的な事案や社員の行動については一部を除き明確な説明は避けられたが、企業としての課題や再発防止に向けた取り組みへの姿勢を示した。
しかし、今回のスポーツ報知『フジやり直し会見は「20点」 危機管理会社の社長が総評 改善されたのは経緯説明&当事者への謝罪』(2025年1月28日 8時0分配信)の記事で、「前回会見は評価できないマイナス点だったが、ようやく20点の会見になった」と低い点数をつけたのが、危機管理会社「エイレックス」の江良俊郎社長だ。江良社長は、以下のように主張している。