国民をなめている!今年中の暫定税率廃止が「困難の見通し」報道…税金上げるのは早いのに下げるのは遅い「口だけ与党に絶望する日本」

政権発足後5カ月近くが経ち、石破茂首相の迷走ぶりに辟易とする人々は少なくないだろう。政府・与党は昨年末、野党・国民民主党と「年収103万円の壁」見直しに伴い178万円に引き上げることや、ガソリン税に上乗せされている暫定税率の廃止で合意したものの、早くも年内実現が絶望視されているのだ。ネットでも「国民をなめている」という声があがる。経済アナリストの佐藤健太氏は「ガソリン価格は高止まりしており、国民生活に大打撃を与えている。石破首相は公党間の合意を反故にするつもりなのか」と厳しい。
目次
所得制限の撤廃、自民党側は“牛歩戦術”を続ける
「やはりな」という思いがある。与党である自民、公明両党は2月21日、維新の政策責任者と協議し、維新側が主張する高校授業料の無償化などについて協議を続けた。2026年度から就学支援金の上限額を引き上げ、所得制限を撤廃するといった自民党側の譲歩には維新側も前向きな評価を示す。
衆院で過半数の議席を持たない少数与党は、憲法の規定で自然成立が可能となる3月2日までの衆院通過を求めている。38議席を持つ維新側の協力は喉から手が出るほど欲するもので、石破首相は維新の賛成を取り付けて来年度予算の成立という「第1関門」を突破したい考えだ。
一方、昨年秋から首相が秋波を送ってきた国民民主党(衆院28議席)との協議は停滞している。同党の「一丁目一番地」と言える年収103万円を超えると所得税がかかる「103万円の壁」引き上げをめぐっては、自民党側から意地悪とも思えるほどの“牛歩戦術”がみられているのだ。
自民党が2月18日に提示した案は、①年収200万円以下の場合に課税水準を従来の123万円から160万円に引き上げる②年収200万~500万円以下は控除を上乗せし、課税水準は136万円以上とする―というものだった。「178万円」を主張する国民民主党と意見の隔たりが大きいのは当然だ。同党の玉木雄一郎代表(役職停止中)は2月19日の「X」(旧ツイッター)に「対象が低所得者(給与収入200万円相当以下)に限定され、中間層の手取りが増えない。不十分かつ複雑で、とても3党幹事長の合意を満たすものとは言えない」などと反発している。
一体三党合意とはなんだったのか
国民民主党が怒るのは当然だろう。忘れてはならないのは、昨年12月の「合意」の存在だ。与党と国民民主党の幹事長は「103万円の壁」見直しについて「178万円」を目指して2025年から引き上げること、ガソリン税に上乗せされている暫定税率も廃止することで合意した。
だが、共同通信は2月15日、今年中の暫定税率廃止が「困難の見通し」と配信した。巨額の税収減が見込まれるため、政府・与党内には「代替財源の議論が必要だとして慎重な意見が根強い」としている。実際、同18日に自民党は国民民主側に対し「諸課題の解決策や具体的な実施方法などについて引き続き協議を進める」とするにとどめ、廃止時期は示さなかったという。この報道には、ネット上で「結局、減税するのが嫌なんだな」「そもそも『暫定』だったはずなのに。石破さんは合意を無視する気なのか」といった厳しい声が相次いだ。