兵庫県知事選について田原総一朗「完全に正しい情報なんてない」…夏の参院選「野党は政権交代を狙っていない」田原総一朗が中国・習近平に直接会って聞きたいこと

91歳を迎えても、いまだに現役ジャーナリストとして活躍し続けている田原総一朗氏。読者の中にも、“代表作”である「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日)を熱中して観た経験がある人は多いのではないだろうか。
最近も『東大生は本当に優秀なのか』(毎日文庫)を出版し、生涯現役ジャーナリストを体現し続けている田原氏に、政治とメディアの関係性や、今夏の参院選についての見立てなどを聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「オールドメディアの黄昏」第2回。
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兵庫県知事選について田原総一朗「完全に正しい情報なんてない」
ーー昨年、兵庫県知事選でマスメディアの大方の予想を裏切り、斎藤元彦氏が兵庫県知事に再選した背景には、SNSの存在がありました。政治家と有権者がともにSNSを積極的に活用することで、斎藤氏の支持者が増えていった、と見られていますよね。ただ、SNSの情報は玉石混交であり、必ずしも正しい情報とは限りません。田原さんは正しい情報をどう見分ければ良いとお考えでしょうか。
田原総一朗(以下、同)
兵庫県知事選については、僕も「面白いな」と見ていました。
要するに、マスメディアと既存の政党が、斎藤さんを非難していたけど、SNSをみた有権者たちは「その非難の仕方がおかしい」と言った、ということでしょう。で、そのSNS上の情報を兵庫県民の多くが信じた。だから斎藤さんが再選した、という流れですよね。
ただ、今になって「SNS発の情報はやっぱり怪しいよね」というものも出てきている。
でも、長年ジャーナリストとして政界に向き合ってきた僕からすれば、マスメディア発の情報も含めて「完全に正しい情報」なんてない、と思うんですよ。どの情報も矛盾を抱えている。正論なんてありません。
だからこそ、いろいろな媒体から同時に情報を得て自分の頭で判断するんです。テレビ、新聞、SNS、本などいろいろな媒体を見て判断するしかありませんね。
田原総一朗「野党は政権交代する気がない」唯一その気がある野党とは
ーー昨年の衆院選で、国民民主党が28議席を獲得し、大躍進しました。同党が掲げた「手取りを増やす」というスローガンが多くの国民の支持を得た、と見られています。また同時に、円安とインフレに苦しむ国民が、自民党政権に対して「NO」を突き付けた結果、とも考えられます。今夏の参院選を経て国民民主党が政権政党になることはあり得るのでしょうか。